劇場公開日 2018年2月1日

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「マーティン・マクドナーが試みた西部劇の再構築。」スリー・ビルボード MPさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0マーティン・マクドナーが試みた西部劇の再構築。

2018年1月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

カールした髪を少しだけ後ろで束ねて、そこにバンダナを締め、ツナギで武装した怒り心頭の母親、ミルドレッドが、ギターの爪弾きに乗って、レイプされ、焼き殺された娘の敵を討ちに行く。さながら、現代のミズーリにカウボーイがワープしてきたかのようではないか!?ジョン・フォードと同じくアイルランドに故郷を持つ監督&脚本のマーティン・マクドナーは、偉大な先人に敬意を表し、西部劇の再構築を果敢に試みている。しかし当然、ここでは善対悪の構図はかつてのように単純ではなく、悪人に見えた人間には情状酌量の余地が大いにあり、さも善人面して登場する人物が巨大悪の手先だったりする。そんな時代に、ひたすらいがみ合い、傷つけ合うことなど無意味なのだ。互いに思いやりを持ち、理解する努力を怠らないことこそ、人としての知恵ではないのか?想定外に次ぐ想定外で観客をとことん混乱させる物語は、最後に心和む着地点を用意して、そこはかとない余韻を残して幕を閉じる。その余韻はしばらく消えることはない。オスカー云々に関係なく、今年まず観るべき1作だ。

清藤秀人
右投げサウスポーさんのコメント
2018年4月3日

ジョン・フォードの西部劇も善対悪のように単純な構図ではありませんよ。その背景には根深いものがある。

右投げサウスポー
清藤秀人さんのコメント
2018年2月8日

悲しみの向こうに希望があります。また、人は表層のみでは捉えられないという教訓も。

清藤秀人
シン ゴジオさんのコメント
2018年2月8日

新署長何かスッキリしなかったが御指摘の通り、悪側の人間で善人のフリして自分以上には手を出さない登場人物でしたね

シン ゴジオ
マッド・アフレックさんのコメント
2018年2月2日

予告を、観て絶対 観てみたい?
マンチェスター バイ ザ シー の 悲しみの 匂いがする。

マッド・アフレック