はじめてのおもてなしのレビュー・感想・評価
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コメディにしては真面目すぎる
途中で挫折。
きっと最後は家族仲良く終わるのだろう。
コメディにしてはシリアスで真面目すぎる。
扱うテーマが、とかではなくて登場人物が何だか皆重い。家族の面々の上手くいかない人生だけが妙にリアルで、例えば皺取りにお金をかける父の様子などに笑えない。
背景は違えど同じように移民を扱ったフランスのコメディ、最高の花婿が素晴らしかったのでそれと比べると振り切った感じかなくて入り込めなかった。
安心して見られます
どんな人種でもどんな立場でも色んな人がいる。
という当たり前のことを思い出させてくれるやつです。
自分が生まれた国で平穏に過ごせるということが、
いかに幸せなことか。
自分を取り囲む環境が変わっても、良く生きようとすれば
いい道を選択できる。
自分が今確信していることも、見方を変えてみれば
新しいことが見えるかもしれない。
笑えるポイントおさえながら、こんないい事、教えてくれます。
いかにもネオナチな集団と、いかにもスピリチュアルに
アッチ方面行っちゃった友人のおばさん、働きすぎで知らぬうちに
精神病レベルの域まで達してた長男は、現代社会によく見られる
ちょっと行き過ぎの人たちの代表。
行き過ぎてて笑えるけど、こういう人、いる。
深いけど、楽しく観られて、鑑賞後もスッキリです。いい映画。
ホームコメディ
ミュンヘンの閑静な住宅街に暮らすハートマン夫妻。現在は教師を定年退職し、暇を持て余す妻のアンゲリカ、大病院の医長を務める夫のリヒャルトの2人暮らしだ。ある日曜日、子どもたちが顔を見せ、久しぶりに家族全員が集まったディナーの席でアンゲリカが「難民を1人受け入れる」と唐突に宣言。夫や子どもたちが猛反対する中、アンゲリカに押し切られる形でハートマン家にナイジェリアから来た亡命申請中の青年ディアロが住むことになる。そのことによりストレスが急上昇したリヒャルトは部下にあたりちらし、職場で孤立。一方のアンゲリカは、ディアロにドイツ語を教え、庭仕事を指導するなど、かつての輝きを取り戻していく。そんな中、歓迎パーティでディアロをもてなすはずが、アンゲリカの友達のせいで警察沙汰の大騒動へと発展してしまう。それ以降も様々な災難がディアロを襲うも誤解を解き、無事に難民申請を勝ち取るまでを描いたホームコメディとなっている。ディアロをきっかけに家族がそれぞれ自分の問題に直面しながら輝いていく姿が微笑ましい作品。
2016年度ドイツ映画興行収入No.1‼️
難民を受け入れるドイツのエリート家族をコメディタッチで描いた作品。
父親は老いを恐れる外科医、生き甲斐を探している元国語教師の母親、企業顧問で妻に逃げられた長男と冷めているその息子、ストーカー体質の男性に好かれる長女からなる裕福なハートマン一家。その一家に母親の押し切りによって難民を受け入れることになる。
受け入れられた難民は、真面目で賢く、心の優しい青年、ディアロ。彼はナイジェリアから亡命申請中である。
癖の強いハートマン一家がディアロを受け入れることによって、生き甲斐や思いやり、家族愛を取り戻していく。
またテロリストによって家族を奪われたディアロの葛藤や、難民に対するドイツ国民の考えをユーモアを交えて表現している。
難民問題だけでなく、身近な人が抱えていそうな現実を描いていて感情移入せずには観ていられなかった。
不器用ながらも自分自身を受け入れ、大切な存在に気づき、前へ進むハートマン一家とディアロに涙が止まらなかった。
難民問題啓蒙映画
ギクシャクしている家族の中に純朴な難民がやってくることで家族の絆が深まって行く…というベタなハートフルコメディであり、それがまた本当にベタで大雑把な展開なので中盤までは実に苦痛でした。「マズい映画を選んだ、邦題がすべて平仮名である段階で気づくべきだった」と後悔してました、中盤までは。
主人公のナイジェリアからの移民ディアロは品行方正で、天使のような善人です。その佇まいにリアリティを感じられず、批判的に観ていましたが、中盤で語られるディアロの過去にムードは一変しました。
難民になることを余儀なくされたディアロの壮絶な過去。そのプロセスを詳細に知ったとき、心が潰れそうになりました。恥ずかしながら、ボコ・ハラムのことは名前くらいしか知らなかった。
「難民」というビッグワードで語ると、どうしても偏見が入り込んでしまうが、ひとりの人間として相対すると、印象は異なっていきます。
おそらくドイツでは、「難民を偏見なく受け入れましょう」的なスローガンが掲げられていると思われます。でも、異質な存在が入ってくるんだから、偏見持つにきまってます。しかし、このような映画で、難民であっても我々と同じ人間なんだ、という当たり前だが忘れがちなことを思い出させてくれる。そして、この作品の柔らかいタッチは、家族で観やすく若年層に影響を与えやすいと思われます。
なので、本作品は啓蒙映画だと思いました。ほぼ同じ時期に公開されていた難民映画「希望のかなた」を撮ったアキ・カウリスマキは上手くいかないだろうが啓蒙的なニュアンスを入れたかった、みたいなことを言っていたと思います(ウル覚えですが)。ヨーロッパでは本当に切迫しているのでしょう。どこまで上手くいくかはわからなくても、全力を尽くして共存を目指さねばならないのだな、と感じました。
本作は本当に雑で、リベラルっぽい雰囲気のクセに古臭い価値観を押し付けてくるなど、興醒めしっぱなしです。ギャグも寒いし。だが、ディアロの過去だけは丁寧に描いてます。その結果ディアロの品行方正さにリアリズムが生まれました。難民問題啓蒙映画としては上手くいってる部類に入ると思います。
難民映画というジャンルができてきていると思いますが、やがてグッと成熟した作品群が生まれてくると思います。本作は黎明期に問題提起した作品として歴史的に残っていくような気がします。
(一方、希望のかなたは黎明期でありながら名作、さすが巨匠カウリスマキ、として語られるでしょうが)
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