エクリプスのレビュー・感想・評価
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実話ベースのホラー
すっかり「REC/レックの監督」でお馴染みと化したパコ・プラザ監督の作品。1つ名作を生むとその後はどうしてもインパクト薄になるものだが、本作の扱いもその1つなのだろうか。やや派手目なパッケージとは裏腹に、仕事で疲れ切っている母の代わりに家事や3人の下の子の面倒も見る働き屋さんの主人公ベロニカにじわじわと恐怖が降りかかる。日常の明るいシーンが多いため、昔のJホラーの様なじっとりした恐怖感は無いが、ある程度ポイントは押さえている為飽きずに最後まで鑑賞することが出来た。だが、怖いかと言われれば何とも難しいところで、恐怖のインジケーターが終始平穏な状態だった。また、本作のキーワードとなっている日食も、その存在意義を押し出す事も無く、それが解決の糸口になる事も無く、ただの「現象」という物で終わっていたのは残念だった。確かに実際にあった出来事をあくまでもベースにしている為、エンターテインメント的な脚色は許されるものだろうが、と言えどもそこまで大それた描き方は出来ないだろう。だが日食という珍しい現象であれば不思議な力も生むかもしれないし、それを期待してしまった自分もいる。恐らく私は宣伝文句に煽られただけなのだろう。広告会社の仕事ぶりには感心させられる。
それでも少しづつ近付いてくる得体の知れない恐怖感は十分に感じる事が出来て、日々大変な思いのベロニカに更なる試練が降りかかる様にはかなり感情移入してしまった。全裸で登場する父親の霊と、囁くように名前を呼ぶ異形の物の声は不気味だった。本作の物語はスペイン警察が初めて認めた怪奇現象とされるものだが、世の中にはこの様な不思議な事件がまだまだあるのだろうか。
心眼
母子家庭で多忙の母親にかわり妹2人と弟1人の面倒をみる15歳の少女が、皆既日食の日に友達と遊びで行った降霊術によって取り憑かれてしまう話。
実話か否かは知らないけれど、1991年6月に実際にあった事件の調書に基づくという形で物語りは書かれており、事件の数日前からストーリーは始まる。
クソまじめという訳でもないけれど、妹弟思いの良く出来たお姉ちゃんという感じの主人公が取り憑かれ、徐々にエスカレートしていく出来事にハラハラドキドキ。
音で脅かす演出も勿論沢山あるけれど、音やグロい映像に頼る様な感じではなく、不穏な空気や出来事やリアクション等、ちゃんと内容で怖がらせてくる。
もの珍しさや目新しさがある訳ではないけれど、こういうオカルト一辺倒な作品
にしてはなかなか良かった。
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