「ソル・ギョングの引きつった顔は見事!」殺人者の記憶法 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ソル・ギョングの引きつった顔は見事!
認知症の映画は最近になって数多く作られるようになってきたが、この作品は主人公が殺人者であり、もう一人の殺人者を追うというオマケつき。さらにキム・ビョンスが獣医であり、相手が警官という盛り込みすぎの設定でもある。人はいっぱい殺したが動物を救っているという変な正義感と、娘ウンヒを守り抜くという信念のみが生きていく支え。まぁ、殺人者が言うことだから共感もできないが、犯罪全てが時効になっていることで納得することができるのです。
1週間分の記憶がごっそりそぎ落とされてしまったシーンは、かなり物悲しさが漂う。まるで頭を殴られて記憶をなくしたかのような、そんなイメージさえあるのですが、いつかは老いてこんな日も来るのだろうと考えるとやりきれない気分でいっぱいになりました。
そんな主人公の男は認知症患者と同様、嫌なことだけ忘れてしまっている。時折それが思い出されるからやっかいなのだけど、習慣だけが残っている程人を殺したことは全く反省していない。パソコンに日記も残したり、娘に貰ったICレコーダーへの録音を習慣づけることで記憶を整理する毎日。レコーダーも新しく録音すると勝手に新しいフォルダを作ってくれるので、便利なのだと思う。
ほぼ主人公目線でのストーリー。いくつか間違った記憶や思い込みがあるので、もやもやさせられるのも確か。お姉さんのパートは良かったし、娘をタクシーに乗せるシーンも面白かった。最後はぐだぐだ~っとアクションも入ってくるので、その点は残念でした。そして、禁煙をやめるきっかけともなったタバコ屋の娘の件も不明瞭。17年前だからテジュはあり得ない。
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