劇場公開日 2018年1月27日

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「陰惨すぎて趣味に合わないかな」殺人者の記憶法 トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5陰惨すぎて趣味に合わないかな

2018年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

連続殺人鬼だった…という過去を持つ田舎町の獣医が、自身が認知症になったことで、周辺に新たに起きる連続殺人事件と自分の事件の過去に向き合う。男の一人娘が殺人に巻き込まれるのではないか…という不安を抱える一方、記憶ができないために日々の出来事を録音、パソコンの日記に残し続けても、記憶と現実の境界があいまいになっていく。そこに今起きている殺人事件の謎解きが絡む。

よくできた映画だと思う。今の日本でこんな映画は作らない、作れないでしょう。
毎度のことながら、韓国人俳優のアクションは肉体を使ったものも、車やガンファイト(本作ではほとんどないが)でも、日本のそれよりずっと迫力がある。
兵隊に行って、人殺しの訓練をスタッフや役者が実際にしてきているんだから、日本人はその点まったくかなわないだろう。

ただ、やはり叙情性、人間の心の部分の描き方が雑だ。
この映画も、主人公が殺人鬼になったきっかけはしっかり描いているものの、殺人を重ねた過去への説明が不足し、自分の娘に新たな殺人鬼の手が伸びる恐怖にどう向き合うのか、という点の描写がわかりにくい。

韓国映画初心者には結構しんどいか、逆に想像を超える良作と思うか…評価は二分されるんじゃないかな。

韓国映画を知らない人には見てもらいたい、と言いたいが、陰惨な内容は他人に勧めたいとは思わない。かなり厳しい評価とした。

町谷東光