「離婚した両親を持った子供の本音?」ママレード・ボーイ shareさんの映画レビュー(感想・評価)
離婚した両親を持った子供の本音?
原作を読んでいた世代です。
面白かったです。そして泣けました。
この映画版は、離婚した両親を持った子供たちの本音がテーマのように感じました。
いきなりの両親ダブル離婚、そしてパートナーを交換してのダブル再婚。
さらに6人でシェアハウスを借りて同居という
ぶっ飛んだ設定ではあるものの、
主人公光希が、離婚する両親に素直に悲しいと感情をぶつけたり、
純粋で感情をストレートに表現しているのを見て
最初は人は人、自分は自分と割り切った態度だった遊、そして同じタイプで両親が離婚してはいないが不仲の親友茗子も
だんだん光希の前では自分の感情を表に出せるように変わっていく。
とくに、この映画の主人公は遊ではないかと思うほど
吉沢亮の泣きの演技が良かった。
ママレード・ボーイのタイトルも遊主人公だとしっくりくるし、
自分が実の父親の要士さんの本当の子供ではないかも知れないと疑いを持っていたのが、誤解が解けて最後に涙するシーンでは、
小さい子供が親の前で我慢していた感情が極まって泣いているように見えて、グッと来てしまいました。
たしかに原作の長いストーリーを2時間程度の映画にまとめたので
原作に出てくる遊の元カノの亜梨実さんや、友人の六反田君の存在感が薄味だったり
銀太と遊の間で揺れ動く光希の葛藤、
そして主人公二人の気持ちが惹かれ合う描写も詳しく描かれなかったり、全体的に端折っている感はあったが、
原作の有名なシーンなども上手く盛り込んでよくまとめており、
こういうストーリーだったのか! という流れが分かりやすくて良かったと思いました。