「秀逸な寂寥感」ウインド・リバー bluetom2000さんの映画レビュー(感想・評価)
秀逸な寂寥感
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冒頭の少女の死という衝撃から観客を引き込み、どんどんのめりこんでいく。獣を撃つ主人公、ネイティブ・アメリカン、少数の警察官、一見頼りなさそうなFBI捜査官、それぞれの登場人物がうまく描写されていて、飽きさせないストーリ構成。
展開が進むうちに、亡くなった少女と瞬人口の関係や過去と娘の死、華奢なFBI捜査官は実は根性もあり統率力もあったりと、明らかになっていく事実で先が気になってくる。驚愕の銃撃戦に至るまでの緊張感、もっと評価されるべき秀作。
舞台は人の数が本当に少なく荒涼とした雪景色と共に寂寥感が漂う。歴史の中で奥地に追いやられたネイティブアメリカンの苦悩、「刑務所にいたほうが楽でいい生活」というセリフが残る。そしてラストの哀しい達成感、苦しいが思いのほか爽やかに終わりホッとする。
色々考えさせられ奥が深かかった。冒頭の少女のように出演者の迫真の演技にも拍手。
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