「どこまでも重々しく。」ウインド・リバー きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
どこまでも重々しく。
ジェレミーレナーにつられて観ましたが、そんな軽々しく観ていい作品ではなかった…。
ストーリーは重く、エグい場面もあります。感情移入しやすい方は元気のないときは鑑賞を控えた方がいいかもしれません。
序盤は少し退屈にも思いましたが、徐々に状況がわかってくると、引き込まれていきました。終盤はサスペンス的展開で見応えがありました。
復讐劇のような面もあるのですが、スカッとする感じではなく、どこまでも重々しさが消えません。
エリザベスオルセン演じるFBI捜査官のジェーンが優秀とは言えないけれど、前向きに頑張っていて応援したくなりました。本作唯一の癒しかもしれない。
悲しみにどう向き合えばいいのか、というコリーの話が印象的でした。辛いけれど、素敵な考え方です。
ラストの2人の背中がなんとも切ない。そして少し救われたと思ったところにあのテロップ。アメリカの歴史や民族に明るければ、より本作を深く理解できただろうと思います。私は先住民保留地の存在すら知らなかったのですが、本作鑑賞後に少し調べてみると、実際に過酷な環境で、事件も多く起きていることを知ってショックを受けました。
最後のテロップを伝えるための作品だと考えると、ドキュメンタリーにして鑑賞のハードルを高めたり、説教っぽくしてしまうよりも、より多くの人に観て考えてもらいやすい作りになっているのは素晴らしいと思います。
ちなみに、本作を観て調べずにいられなかったクロコダイルとアリゲーターの違い。頭を上から見たときに尖って見えるのがクロコダイル、丸みがかっているのがアリゲーターだそうです。他にも牙や歩き方に違いがあるよう。
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