「音楽と生きる魂」永遠のジャンゴ オイラさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽と生きる魂
まさにこれから『音楽と生きる魂を描く!』…っていうオープニングだったね。
その序章の通り、ライブシーンはもちろん全編流れるジプシー音楽が情緒豊かで、
世界観にがっぷり包まれるだけでなく、彼等の気高さと、同居する野性味を感じたよ。
同朋と共に命をかけた、あの意図をもって演奏する場面では、
言葉や頭脳を使った巧妙な策略ではなく、息遣い・目配せ…唯一の武器は『音楽』っていうのが象徴的で、
興奮すると共に独特な緊張感に息が詰まった。
でも、実在の芸術家モノの映画の割に主人公ジャンゴに魅力をあまり感じられなかったな。
過剰にわかりやすくドラマチックにせず、無駄を削ぎ落として淡々と描かれていたからかな。
きっとそれがジャンゴなんだろう…&オイラの(当時の情勢に関する)知識不足と、感性やイメージ力の衰えなんかな?と。
まぁ、一番の期待である『ジプシーの音楽に触れる』の気持ちは充分に満たされたから、概ね満足しましたとさ。
また、そこで逆にラストシーンだけジプシーギターではなく、教会での鎮魂歌で締めくくっていたのが、
『繰り返してはいけない』『忘れてはならない』というメッセージとして、静かに強い余韻を感じさせたね。
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