「安藤政信が好き」デイアンドナイト Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
安藤政信が好き
相変わらず、安藤政信はほんっとカッコいい。昔から私の妄想彼氏。
さて。北村は、自らが犯した罪の意識から、自分はいつか神に罰せられる、いや罰っしてもらいたいと願っているようだった。だから、罰を受けるのならまとめて引き受けるさと言わんばかりに、夜の犯罪行為にいっさい躊躇がない。
しかし、人は自分に罪があると思うことによっては決して罰せられない。北村の罪は、奈々から父親を奪ったことではなく、奈々に絶望を直視させなかったことだ。
善や無垢とは、悪や絶望をじっと凝視する視力と、そこから激烈に発動する光のことだ。
奈々に真実を告げた北村はやっと旅立つことができた。流れる透明な水と真っ白な冷たい雪は、北村の天国のようだった。
善と悪は、表と裏のようにはっきり分かれていない。モノクロ写真のグレーのように、黒と白が全体に散らばっていて、どちらが善か悪かなんてわからない。
そのことを物語と映像がしっかり、充分に語っていた。
だからこそ、善悪云々の台詞(説明)が邪魔に感じた。現代の邦画の特徴のようだけど、鑑賞者の受信能力を信じないのは何故だろう。
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