「突きつけられる善悪の彼岸に魂が震える」デイアンドナイト まっくん a.k.a. エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
突きつけられる善悪の彼岸に魂が震える
山田孝之がプロデュースに徹したという程度の予備知識で臨んだが、これは何という傑作。
熱くて、優しくて、切なくて、正解などなくて、それ故に成す術もなくて……複雑な思いを抱きながら涙した。
父の自殺を機に故郷の秋田に帰った明石は、父が自動車会社のリコール隠しを告発し、係争中だったことを知る。企業の不正を暴こうとする一方で、明石自身も大切な者を守らんと闇の世界へ…
果たして大切な者を守ることが「正」なのか?
まさに善悪の彼岸を観る我々に突きつける傑作。今年の邦画のベストワン候補に一番乗りだ。
明石を演じた阿部進之介の「優しい表情」に魅かれた。キリストの如く、彼の行うことが善だとさえ思ってしまう。児童養護施設で育ち明石と心を通わす高校生を演じた清原果耶の孤独な佇まいも印象的。
そして、小西真奈美のクールネス(地味なのに圧倒的な存在感!)、佐津川愛美のピュアな温かさ(最近では逆に新鮮!)など、脇の女性陣も出色だった。
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