劇場公開日 2017年11月18日

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「勝手に撮ってシャッフルした感じ」猫が教えてくれたこと うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 勝手に撮ってシャッフルした感じ

2025年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

岩合光昭の『世界ネコ歩き』は、ある程度尺が決まっていて、人間とのかかわりはそれほど無い印象ですが、この映画は、ノラ猫たちなりに人間と深くかかわりながら生きている様子が描かれています。

7匹と書かれているものの、出てくる猫はそれこそ数えきれないほどたくさんで、チビちゃんもいれば、孤高のメス、木登りの達人など、いろんな猫が登場します。一応名前のついているいくつかの猫たちを、それぞれ世話をしている人たちがひとり語りで紹介していく体裁をとっているものの、編集は自由で、悪く言えば、まとまっていない印象です。

街にカメラを置いて、2週間程度撮り続け、編集をして音楽をつければ、いくらでも同じようなものが出来てしまうんじゃないかと思います。映画一本を通して、大きな流れのようなものが感じられないので、猫たちの「生老病死」のうち、主に生きることに主眼を置いて撮られたドキュメンタリーで、ちょっと落ち着いてぼーっと見ている分にはちょうどいい内容かもしれません。

なかには、船乗りが猫をかならず船に乗せていたとか、ネズミを自主的に駆除してくれる猫とか、役に立っている者たちや、エサやりを通して心の病気を克服した男の猫たちとのかかわりなど、印象深いエピソードも語られますが、映像は付け足し程度で、決定的瞬間を捉えたようなものではありません。

詳しくは触れられていませんが、死んでしまった子猫のことが少し気になりました。映画では、ちょっと映った程度で別の猫に移りますが、猫同士、厳しい戦いもあるようです。

うそつきかもめ