「大林宜彦、戦争の警鐘と映画への執念」花筐 HANAGATAMI トシくんさんの映画レビュー(感想・評価)
大林宜彦、戦争の警鐘と映画への執念
この作品を撮っている最中に大林監督は余命3ヶ月を宣告される。遺作としてなんとか完成できたらと思いきや、飽くなき映画への執念と愛情が監督の生命を漲らせその後2年半以上も生き遺作どころかさらにもう一本撮りきる快挙を。
この作品は映像の魔術師としてのファンタジー要素満載の歴史純文学の群像物語である。大林監督のメッセージは「青春を戦争の消耗品にするな」だそうで、戦争直前の張り詰めた緊張感の中で生きる若者の悲哀を描いている。ワンカットワンカット魂が篭っている。戦中戦後の惨めでやりきれない時代を知っている大林宣彦しか作れない渾身の一作です。
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