「凸凸コンビの痛快アクション逃亡劇」ヒットマンズ・ボディガード bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
凸凸コンビの痛快アクション逃亡劇
2017年にNetflixで配信された作品。『デッドプール』のライアン・イノルズと『ミスター・ガラス』のサミュエル・ジャクソンのW主演による、イギリスはロンドンからオランダのアムステルダムを舞台にした、コメディー・タッチなアクション逃亡劇。この存在感ある2人が主演となれば、それだけで面白い作品であるのは間違いない。『バッド・ボーイ』や『ダイハード3』と同様の凸凹コンビが、次から次へと飛び出す派手なカーチェイスや銃撃戦を繰り広げる。むしろ、本作は凸凸コンビと言っても、いいかもしれない。
また、こうしたスリリングなシーンの合間に、ライアンとサミュエル2人のウィットに富んだ会話もふんだんに盛り込まれている。これが、物語のアクセントとなって、テンポある展開へと押し上げている。シリアスンからコメディー、アクションまで熟す、名優2人によるアドリブのごとき、互いに罵声を浴びさせて罵り合い、笑いを誘うシーンはもう一つの目所とも言える。
嘗ては、一流のボディーガードだったライアン演じるブライスは、護衛任務に就いた時、依頼人が射殺されたことで、その名声は地に堕ち、警護の腕前は確かなものがありながらも、今や日雇いで警備をする落ちぶれた生活を送っていた。そこに、嘗ての恋人で女性捜査官のアメリアから、緊急の仕事の依頼を受ける。それは、独裁政治の末に、自分に歯向かう者を大量虐殺して逮捕された、ベラルーシ大統領デュコビッチの国際裁判での証言者を護衛することだった。その証言者が収監中のサミュエル演じるキンケイド。しかし、キンケイドもまた、これまで多くの人を殺めてきた一流の暗殺者でもあり、デュコビッチに暗殺の依頼を受けた時に、デュコビッチの残虐な顔を知り、裁判の生き証人として検察側から白羽の矢が当たったのだ。その証言を回避しようと、デュコビッチは、傭兵達にあらゆる手を講じてもキンケイドを殺し証言できないようにと企てる。
そんな状況下で、、当初は、互いに馴染めないでいたもブライスとキンケイドだったが、次第に打ち解け、互い信頼し合い、裁判での証言の時間が迫る中、次から次へと現れる傭兵達に立ち向かっていく。ロンドンやアムステルダムの街中で、激しいカーチェイスや危険な銃撃戦が幾度となく繰り返し、街並みをも破壊していくのだが、こうした撮影は、やはり日本ではなかなかできない事を痛感する。
出演者は、ライアン・レイノルズとサミュエル・ジャクソンの他には、悪の親玉デュコビッチ役には、『ハリーポッター』のシリウス・ブラック役でお馴染みのゲイリー・オールドマンが務め、ブライスの元恋人役の捜査官には、『ドラゴン・タトゥーの女』でハリウット進出を果たしたエロディ・ユンやキンケイドの恋人役には、メキシコ出身女優のサルマ・ハエックが演じていた。
