「思った通り」ダークタワー MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
思った通り
スティーヴン・キングの長編小説「ダークタワー」。これまで幾度となく映像化の声が聞こえたかと思えば潰れるの繰り返しだったが、ようやくお披露目という訳か。原作は完結までに22年の歳月を費やしたキング珠玉の大作だ。私は第4巻で挫折したため、原作のラストは正直知らない。それでも途中まで読んでいたため話の大筋くらいは分かる。
その記憶を頼りに本作を考えてみると、やはりどうしても本編95分のたった一作で完結みたくしたのには不満というか切なさを感じる。あの長編がこの一本でか…と唖然としたのは私だけでないはずだ。見応えのあるものにするため、原作の良いところをかいつまんで編集しているように感じてならない。
本作の最大の弱点は、あっさりし過ぎていることだろう。
少年とガンスリンガーを主体とした物語だが、おかげで最高に格好良かったマシュー・マコノヒー演じるウォルターとのバトルが少ない。長い小説をこれにまとめたのならそうなるのは必然とも考えられるが、とにかくそこが残念だった。全く原作を知らない人は少なからず本作の世界観に置いていかれるだろう。よって本作の市場はどうしても原作ファンということになる。この考えが100%という訳ではないが、原作ファンに向けた作品ならば本作は正しいやり方ではないと思う。
しかし良い点もある。本作の空気感などがストーリーにマッチしている。かなり観ていて心地よく感じた。その上で繰り広げられるストーリーやガンアクションなども作品によく合っている。あっさりしていると先ほど述べたが、無駄なシーンなどはなく、直球でストーリーをぶつけてきたところには好感が持てた。原作がどうのとかからは頭を話せば、本編95分の中にはきちんと整理された話が詰まっているのだと思う。
MASERATIさん、情報ありがとうございました!
TVシリーズ化の話がすでにあったんですね。実は初耳でした。
現状どうなっているか調べてみましたが、
元々は映画版と繋がりのある前日譚として第4部
『魔道士と水晶球』からTVドラマ化の予定だったが、
今回の映画版が興行でも批評でも振るわなかったので
(制作費6000万ドルに対し全米興収5000万ドル弱)、
仕切り直しになっているようですね。
S・キングが2017年10月に雑誌インタビューで
語ったのが最新の言及でしょうか。それによると
「映画版とTVシリーズを繋げる前のプランは放棄
されたようだ」「完全なリブートになりそう」だとか。
“リブート”が『第1部から再映像化』or『企画と
してイチから練り直し』という意味かは読み取れず。
映画原理主義的思考な自分としては
『やっぱ映画でやって欲しかった』とは
思いますが、最近のTVドラマは映画並みのクオリティの大作も多いですし、
期待しておきますかね……。
MASERATIさん、
先日はどうも、浮遊きびなごです。
コメントありがとうございました!
MASERATIさん書かれている通り、
原作のことを考えなければ1作品として
まとまっていていたとは思うんですけどね……
これからしばらくは再映画化なんて話も
無いんだろうなと思うと、残念ですね。
『ドクター・スリープ』や『ペット・セマタリー』
再映画化など、他のキング原作の企画は進んでる
ようですし、『IT chapter2』も期待できそうなので
まずはそちらを心待ちにしておきますか。
それではこの辺で!