デトロイトのレビュー・感想・評価
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実話だからこその明けない夜
胃が痛くなるくらい緊迫した空気が続く。
ホント嫌な映画。これが実話ベースだというのだから、閉口せざるを得ない。軟禁が終わっても、時代が変わるわけではなので、関わる者たちの夜が続くのは明白で、最後までそれを見続けるのに精神削られる。
自分が今の日本に日本人として生きていることを感謝したくなる。
作品としては実話であるからこその、ストレートな描き方。個人的な趣味としては、そこをコメディとして昇華したスパイクリーのブラッククラウンズマンの方が好きかな。
と言いつつも、嫌な感じで(いい意味で)心に残る作品でした。
モーテルでの拷問シーンは酷すぎます。
黒人暴動が荒れ狂うデトロイト。そのデトロイトのモーテル行われた、警官の残虐な行為を冷徹に描いた物語。
とてもリアルで、重たい作品です。警官の拷問シーンは緊迫感と恐怖で疲れ果てました。
このシーンは恐らく実際にあった話で、60年代とはいえ、ここまで酷い人種差別があったことは恐怖としか言いようがありません。
また、これも史実なので仕方ないのでしょうが、法廷での結果も最悪で後味がとても悪い映画となってしまいました。
「臭いものに蓋」はとても良くないことですが、出来れば映画としての鑑賞は避けたかった、そんなことまで考えた作品でした。
ラリーの決断に救われた
【1967年の”デトロイト騒動”の中で行われた苛烈な人種差別をキャサリン・ビグロー監督が容赦なく描き出す。】
悪役がハマりすぎ。
今更ながら観ました。さすがキャスリン・ビグローって感じ。 黒人の暴...
嘘がない映像力
よその国だけの出来事、じゃない。
自分を正義だと思ってる人間が、いちばん残酷になれる。
どこかで聞いたそんな言葉を思い出す作品だった。
まるで自分がその場にいるような気分になるカメラワークが印象的で、
40分超にもおよぶ拷問シーンはちょっと言葉で言えないくらい凄惨。
『セッション』でも思ったけど、観てるこっちもメンタル削られる感じ。
ひとつ疑問なのは拷問中、なぜ本当の事を誰も言わなかったのかってこと。
「死んだカールがおもちゃの銃を撃ったんだ」って。
まぁね、どうせ信じてもらえないのは分かる。
でも事実としては主張したらしいから、
映画にする際の改変で、どんな意図があったんだろうと気になった。
最後に、警官役のウィル・ポールターがマジですさまじい。
黒人コミュニティから襲われたりしないだろうかって心配になるくらいの怪演。
この内容で2時間超はない
これ、大方の評価とは逆になりそうな感じ。個人的にはマイナスのところのほうが気になる作品だった。
題材に誠実に向き合っているし、当時の時代をこまかく再現した映像もすばらしいと思う。そして、痛しましい過去の記憶を提示する意思も感じられる。。
でも、構成が雑。あえてそうしているのかもしれないが、雑に感じてしまう。
発端を見せて、そこから一つの事件にフォーカスする流れだが、視点の誘導がどヘタ。完全に一回緊張感が途切れている。
それにその後の事件現場、なげーよ。一人目の射殺、横暴な尋問、誤った射殺、ポイントはあるわけだから要約しろよ!と思わせてしまうところ。(狙いもわかるが、あきらかに冗長)追い打ちを掛けるかのように、女の金切り声でイラっ。
その後、裁判はほぼアフターフォローのような内容。
ハートロッカーゼロダーク、ある一点にぐっとピントを合わせる手法ですか、それはそれでいいけど全部でそれやるなよ、ていう。
この内容で2時間超はない。
まだこういう事件があるんだよ。
Algee Smith & Larry Reed - Grow (from DETROIT) これを検索するとアルジーのグローという曲が聴ける。人間は平等。いつになったら成長するの。
1967年の7月、デトロイト警察が、無許可のバーの摘発から始まるが、『アルジェ モーテル事件』を題材に、被害者の証人、メルビン、ジュリー、ラリー、などの見解から描かれている。
黒人の少年ラリーが心身外傷後ストレス障害で自分の希望だった歌手の道を進むことができなく、それに、生活ができないので田舎の小さな教会で歌い始めて、自分なりの生きかたをし始める。
オハイオ州からの白人ジュリーは心身外傷後ストレス障害だったろうが、作品では彼女のことはほとんど描かれていない。
彼らはこんな狂気のなかを生きてきたのか
逃げる黒人を背後から撃ったことを上司から問い詰められた若い白人警官が「(上司がそう責めるのも)仕方ない、それも仕事のうちだから」と同僚にこぼすシーンが忘れられない。
あっ、彼はほんとうに無抵抗の黒人を殺すことをなんとも思っていないんだ、と分かってヒヤッとしたから。
そんな狂気の白人警官演じるウィルポールターくんの力かな…すごい。
ざらざらとした映像。現場の埃っぽさが伝わってくるかのような。ホームカメラで撮ったような、生っぽさ。
ほんとうに理不尽で怒りがこみ上げてくるのだけれど、胸糞映画で終わらなかったのが良かった。
被害者の黒人男性が教会で歌う聖歌があまりに美しいからかな。
でもちゃんと、忘れられない怒りは残るね。
ただただ、辛い…
絶対に観るべき歴史
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