「愛憎犇めく間柄。」犬猿 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
愛憎犇めく間柄。
所謂犬猿の仲である他人とは近づかなければ済む話だけど、
兄弟姉妹となるとそうもいかない。近すぎる分嫉妬も軽蔑
も容赦なく圧し掛かり、自分がいかに計算高く小さい器か
と気付かされる。よくもこれだけ頷けるエピソードを揃え
たものだと吉田監督の観察眼に恐れ入ったが、個人的には
遊園地でのエピソード、自分は悪口を言うくせに他人から
言われると面白くない場面で大いにウケた。そうなんだよ、
出所一緒なんだもんね。家族の悪口言う人に限って、他人
から言われるのを嫌うものだ。結局そこに甘えが出ている。
だけど本当に合う合わないの相性は存在する。愛憎犇めく
家族にはなるべく近づきたくないものだがなかなかそうも
いかない。上手くかわすコツを次の作品で提示してほしい。
役者陣大健闘。特に姉役のニッチェ江上には若干涙が出た。
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