劇場公開日 2017年11月10日

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「シリーズ化し作品価値を下げるお手本。」ジグソウ ソウ・レガシー Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5シリーズ化し作品価値を下げるお手本。

2020年7月11日
iPhoneアプリから投稿

1作目は本当に素晴らしかった。
あのソリッドでセンセーショナルなビジュアルと脚本。
圧迫感と緊迫感、観ている側も不安に掻き立て精神的不快感を与え続けるワンシュチュエーションスリラーの開拓作。
映画界に与えた影響は良かれ悪かれ沢山あったでしょう。

当時の僕はその斬新な作りとラストに衝撃を受け、色んな人達にオススメしたもんです笑
あんな万人受けしない作品を笑。

ただそれほど1はよかった。

が、ハリウッドだろうが邦画作品だろうが、ヒットをすればシリーズ化される。
一貫したスタッフ、設定、目的があるならば良いのだが、そんなにうまくはいかない。
どんなヒットシリーズでも余計な設定や後付けのご都合脚本に誤魔化しを効かせ、シリーズ化を金に変える。

これは映画業界、いや一般的な企業で営利性を求めるのは当然の事。
むしろ普通のことなのだが、肝心な事は自分達が作った作品に愛情がない事。
その部分にガッカリしてしまう。

1作目ではダークヒーローばりのカリスマ性を見せたジグソウことジョン・クレイマー。

回を追うごとにただの猟奇殺人者に成り下がり、カルト的な一面も濃く描かれるようになってきた。

シリーズ後半ではゲームで人を殺す装置にも複雑さと無駄な大袈裟さを取り入れ、派手に死ぬ観客優先主義に走る。

エンタメ性と興業を考えると分かるが、作品自体にクレバーさが失われ、ただのB級スプラッター映画になってしまった。

本作もそう。
本シリーズの代名詞。
大ドンデン返しも二番煎じの浅はかなもの。

時間潰しに観る程度の作品です。
単体映画としてはそれなりに楽しめるかも知れません。

どちらにせよ万人にお勧めするものではありません

Flagman