バッド・ウェイヴのレビュー・感想・評価
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お下劣探偵物語
愛犬の誘拐事件なんて、ひょとしてブルース版ジョンウィックかとハードボイルドに期待が膨らむが、裸でスケボーから女装まで、ある意味一線を越えてしまったブルース・ウィリスさんのお下劣探偵物語でした。
私立探偵ものといっても風光明媚、ヒッピー文化も残るベニスビーチが舞台だからノワール調の暗さは皆無、多少は荒っぽいところも見せないとブルースファンに怒られるので入れてはいるがいたってソフトボイルド、悪役も話せばわかる気のいい奴だったり、見方を変えれば脱力系、ぶれない軽妙さは好ましい。
ただ、脚本のカレン兄弟は笑いの取り方が差別用語や下ネタに頼りすぎでしょう。
笑いの取り方も練り込まれたギャグよりも裸芸のような単純な方がネット時代には受けるのかも知れませんが個人的には「フライング・ハイ」などのザッカー兄弟の練り込まれた細かいギャグの連発方式が好みです。
それにしてもブルース・ウィリスさん、よく引き受けたと驚きです。
裸で銃を持つ男
米国西海岸のヴェニスビーチで町唯一の探偵業を営むスティーヴ・フォード(ブルース・ウィリス)。
ノーラ(ジェシカ・ゴメス)という若い女性を探すように依頼を受けた。
助手のジョン(トーマス・ミドルディッチ)の行動であっさり女性は見つかったものの、生来の女好きから女性の兄ふたりから追いかけまわされる羽目に。
それがどうしたことか、トラブルがトラブルを呼んで、大物麻薬ディーラーや馴染みのユダヤ人不動産業者もかかわって、ハナシがややここしくなってくる・・・
という物語で、冒頭から素っ裸でスケートボードで逃げるスティーヴが描かれ、『裸の銃を持つ男』ならぬ、「裸で銃を持つ男」になってしまうあたり、結構面白い。
その後の展開も、すったもんだのくんずほぐれつ、こんがらがった物語も置いてきぼりを食うこともなく、巧みにさばけていて、そこそこ楽しい。
まぁ、中盤あたりは少々中だるみはするものの、熟年離婚に突き当たったサーフィンショップの主人デイヴィー”モンキーズじゃないよ”ジョーンズ(ジョン・グッドマン)とコンビを組んで暴れまわるあたりになると、再び面白さも盛り返す。
狂言回し役の助手のジョンが意外に活躍しないなぁ、と思っていたら・・・というオチも面白いのだが、全体的にちょっとタイミングが悪い感じ。
なお、スティーヴが愛犬をやたらと可愛がるのは『ジョン・ウィック』のパロディかしらん。
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