「I've Been Loving You Too Long」ヴェンジェンス kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
I've Been Loving You Too Long
犯罪大国アメリカ。湾岸戦争の「砂の嵐作戦」で名誉の負傷勲章を貰ったという刑事ジョン・ドロモア。相棒を犯人に撃たれて殺され失意のどん底にいたのだが、あるバーで知り合ったシングルマザーのマルティナが天真爛漫で魅力的だったため勇気をもらう。今でもジュークボックスがあるんですね。
そんなティーナが4人の男にレイプされ、犯人は簡単に逮捕されるものの敏腕弁護士をつけたために公判へと持ち込むことが難しくなってしまった。この予備審問という制度がまた難しい。ティーナは暴行で重傷を負い、PTSDもままならない内に裁判に持ち込んだせいだ。女性検察官も彼女の精神状態をもっと考慮すべきだったのだろう。
ティーナは精神錯乱気味で上手く証言できないし、12歳の娘ベシーの証言も信用されない。ジョンは現場に真っ先にかけつけるも、暴行現場を見ていないし、何しろ聞き上手で寡黙な刑事なのだ。しかし、4人のチンピラを次々に復讐していくというストーリー。
単純な物語の中にあっても印象に残るものがあった。景色でいえばナイアガラの滝、人物でいえば強烈なモンスターペアレント。その夫も惜しげも無く家を売ってまで弁護費用を出したのに結構ちゃらんぽらんだったりする。スカッとする殺し方は、ティーナの恋人ケイシーが襲われたときに正当防衛と称して銃を放ったシーンだろうか。最後には女性を使ってモーテルに呼び出して自殺させるのだが、この電話の主ルーエレンも謎のままだ。
タイトル通り、復讐そしてラブストーリーではあるのだが、ティーナに対しての恋心じゃなくて、娘ベシーがジョンに恋したという意外性があった。まぁ、暇つぶしには最適の復讐劇といったところでしょう。
○vengeanceはrevengeよりも文語的。また個人的な恨みによるものよりも、正義をただすといった意味合いがあるらしい。