さよならの朝に約束の花をかざろうのレビュー・感想・評価
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褒められるのは絵と音楽のクオリティだけですね
中世ファンタジーにつきものの長寿エルフ族をオリジナル種族に置き換えて、寿命の違いからくる別れの儚さを主軸にしてるんでしょうが、かなり酷いストーリーでちっとも感動しません。
エルフ族を違う種族に置き換えただけみたいな世界観なので、その辺も目新しい感じが乏しく、ファンタジー物が好きでも物足りない感じです。
出産と子育ての大変さも扱われてるので、その辺の実際の経験がある女性の方々には共感できる部分が多くて感動するかもしれません。
が、ストーリーが酷すぎてその辺の感動的部分も台無しにしている様に感じました。
兎に角モブキャラの扱いが雑で、副キャラの幼馴染のカップルの女性が長寿能力を欲する帝国に拉致られて王子の子供を孕まされるという、まさかのNTR展開。
助けに来た男性の方も産まされた子供を愛したいと言う彼女の発言に乱心して心中自殺をはかるも失敗、最終的には腹部を撃たれて失意のなかを失血死すると言う酷い内容です。
こんな酷いもの見せられては感動も糞もないかと存じます。(特に男性は)
そんな酷い状態の中を生まれた子供も、クソ性格な王と王子(父)に見捨てられ、全て忘れる決意を固めた母親からも結局速攻で見捨てられてしまいます。
ここの部分が妙にさも感動的な様な演出で見せてくるわけですが、起きた現実だけを冷静に考えて見たら、到底感動なんて出来る訳もないかと存じます。
こんな酷いもの見せられては後々のシーンでの感動も糞もないかと存じます。(特に親が離婚した経験がある人は)
総じて、平凡以下の作品かと存じます。(特殊な性癖の方は除く)
あなたが与えてくれた愛
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』『心が叫びたがってるんだ。』の脚本家、岡田磨里の監督デビュー作となるオリジナル長編アニメーション。
『あの花』も『ここさけ』も少年少女たちの青春ドラマにファンタジーを少々プラスの作風だったが、こちらは直球とも言える異世界を舞台にしたファンタジー。
人里離れた地で暮らす“イオルフ”の民。彼らは10代半ばで外見の成長が止まる不老長寿の種族で、それ故“別れの一族”とも呼ばれていた。
“ヒビオル”という布を織る静かな暮らしを送っていた。
ある時、イオルフの長寿の血を求めて、王国軍“メザーテ”が翼を持つ獣“レナト”に乗って攻め込む。
その混乱の最中、仲間も村も失ったイオルフの少女マキアは、外界へ…。
最初は設定や用語を覚えるのにちと一苦労。
でも、それほどややこしくてこんがらがる訳でもなく、割りとすんなり把握出来た。(イオルフの教えなどさらに細かな設定はさておき)
異世界、人間と別種族、王国、不老長寿、古よりの存在…。
このまま剣と魔法が登場する王道の冒険ファンタジーが展開するのかと思ったら…、
命からがら助かり、森をさ迷っていたマキアは、賊に親を殺された赤ん坊を見つける。
エリアルと名付け、育てる事に…。
ファンタジーでまさかの擬似母子の物語。
でもお陰で、ファンタジーの世界特有の馴染み無い展開や争いがどーのこーのを見るより、ずっと見易かった。
とにかく、悪戦苦闘の子育て。ずっと布を織るだけの単調な暮らしだったイオルフの民にとって、人間が人間の子育てをするの比ではない。
全てが、初めて。全てが、慣れない。
偶然出会った女手一つで子供たちを育てる家族の助力あって、やっと。
おまけに端から見れば、子供が子供を育てるようなもの。
また、マキアは普通の人間じゃないとヒソヒソ噂される…。
こんな自分が母親としてやっていけるのか…?
自覚も無い。血の繋がりも無い。同種族でも無い。
毎日…いや、その瞬間瞬間が、自問自答の連続。
一つの場所に長く留まる事は出来ず、各地を転々。
時が経ち、エリアルも少年に。甘えん坊。
マキアは仕事を探す。仕事と家事と子育てに追われる。
ここら辺、ファンタジー・アニメではなく、まるで現実世界を見ているようだ。
母子仲は非常にいい。
が、子育ての悩みや日々の生活の疲れで、つい当たってしまった時も。
それが親子ってもんだ。
まだまだ母親として悩みながらも、溢れんばかりの愛情を注ぐマキア。
その愛情をたっぷりと受けて育っていくエリアル。
「僕が母さんを守る」
ある時言ったその言葉は、これ以上ない母子愛ではないか。
また時が経ち、エリアルは青年に。
エリアルの見た目はマキア超え。
周りには親子ではなく、姉弟として暮らしている。
この頃になると、母子関係に変化が。
“母さん”と呼ばなくなった。すでにもう本当の親子ではなく、別種族なのも知っている。
所謂思春期、反抗期。
…なのだが、この“親子”の場合、複雑な心情が。
エリアルからすれば、自分は成長していくのに、“母親”はずっと変わらぬまま。そんな“母親”を“母親”と呼べるのか…?
だからある時、遂に言ってしまった。「母親と思った事など無い」と…。
エリアルはエリアルなりに苦悩/葛藤していた。
見た目とか同種族じゃないとか、そんなんじゃない。
何故、この人は自分なんかに無償の愛情を注いでくれるのだろう…?
守ると誓ったのに、守れてない。
愛情が逆に重荷に。
それに応えられない自分…。
エリアルはマキアの元を離れ、王国軍に入る…。
メザーテ王国では、イオルフの長寿の血を巡って問題が。
王宮にはマキアの友人レイニアが王子の妻として迎えられ、子を出産していた。
実際は、囚われの身。王家の繁栄の為にイオルフの長寿の血が欲しかっただけ。
産まれた子は普通の子で、役立たず扱い。それ以前に、単なる子を産む“モノ”扱い。
勿論王子との間に愛情など微塵も欠片も無く、幸せも自由も無い。産んだ我が子にも会えない…。
そんな時、メザーテが古の力を頼った事が問題となり、隣国に攻め入られる事に。
その混乱の中、囚われてしまったマキア。
レイニアと、彼女を救出しようとするイオルフの青年クリム。
兵士として戦わなくてはならないエリアル。
各々の運命が交錯する…。
イオルフはつくづく悲劇の種族だ。
その不老長寿故狙われ、争いに巻き込まれ…。
不老長寿と言うと人類永遠の夢だが、それは時に呪縛にもなる。
種族が生きていく上で、ある掟が。それは、愛してはならない。
誰かを愛しても、相手は歳を取り、死に、残るは孤独と悲しみのみ。
でも、本当にそれだけだろうか…?
ネタバレだが、エリアルは幼馴染みの少女と出会い、子を授かる。子孫にも恵まれ、幸せな人生を送った。
これも全て、あの時マキアが、自分を拾い、育ててくれたから。
あの時マキアが自分を拾い、育ててくれてなかったら、エリアルの人生の全ての出会いも幸せも子孫も無かった。
何故、エリアルはマキアの子に…?
あの時マキアがどんな心情でエリアルを我が子として育てようと決意したか分からないが(孤独な者同士のシンパシー?)、そもそも理由なんて無い。
それは、親が子を、子が親を選べないのと一緒。
産まれ巡った縁で親子となる。
マキアとエリアルの場合は、出会いだ。
それを“運命”とも言えるが、だからこそその出会いは尊い。
だからこそ、理由なんて無いのだ。
ただひたすらの、親子としての、無償の愛情。
あなたが全てを与えてくれた。
喜びも、悲しみも、幸せも、愛し、愛する事も。
“別れの一族”と呼ばれるイオルフ。
悲しいだけの種族ではない。
出会いと別れ、愛の一族。
人と人の繋がりを丁寧に描く事に定評のある岡田磨里作品。
脚本作もいいが、これほどの手腕を見せられたら、次の監督作も期待せずにはいられない。
面白かった
ストーリー展開が急で人物に感情移入があまりできず感情が迷子状態で、感動はしましたが泣くまではいきませんでした。
一番グッと来たところはラストよりも幼馴染の「子供の頃にお母さんに甘えるのはカッコ悪いとか言ってごめんね、全然カッコ悪くないのにね」というセリフでした。
映画の時間的に仕方ないのかもしれませんが、もうちょっと視聴者側に沿ってキャラの感情を深く掘り下げて欲しかったです。
ストーリーは面白く、音楽や絵もとても良かったと思います。
うさぎドロップ的ラストのリメイク希望
ハイクオリティな作画に最初から最後まで圧倒されました。
マキアかわいいです。
合法ロリ最高!!!という雄叫びが聞こえてきそうなかわいさです。
でもそれだけです。
ストーリーが家族愛(?)をメインに据えているせいか、父性もなく子供も授かっていない私には全然感情移入できませんでした。
作中のいたるところにあった意味深なシーンも結局最後まで活用されることなくラストを迎えます。
「え?赤目病って結局なんだったの!?」
「レイリアとメドメルの関係何も解決してなくね?」
「イゾル…..所々で意味深な顔しているのに結局最後まで何も行動起こさないのかい!!!」
なんというか、マキアとエリアルの親子愛のみに注力していたせいで、それが理解できない私なんかには意味深なシーンを伏線として回収しない中途半端な作品にしか見えませんでした。
これならうさぎドロップ的にマキアとエリアルが結婚してくれた方が意外性ともっと大きな心の葛藤が生まれてよかった気がします。
儚く 虚しく 悲しい
最初は話が飲み込みずらかったが、中盤、終盤は引き込まれた。
特に一番最後のマキアのエリアルに対するお別れの言葉が
「いってらっしゃい。晩御飯までにはかえってくるんだよ。」って悲しすぎた。虚無感があるが、それが別れの一族なのかと。
これからも別れと出会うという事が辛い。マキアの幸せを願わずにはいられない
見終わった後の虚無感
監督が岡田麿里さんとのことで、ずっと見たかった映画でした。
こちらでのレビューで、母と子をテーマにした映画というのは抑えて観ました。
監督が脚本を手がけているここさけもそうでしたが、観た後の直後はすごい映画に出会ってしまった!!!と思うのですが、少し時間が経つと、あれ?でもさ…となるような作品です。
映画館を出た時は感無量で、母と子についてすごく考えさせられましたし、登場人物たちのヒビオルについても考えさせられました。
が、少し時間が経つとやはりエリアルに違和感を感じてしまいます。
母が歳をとらないという設定で人間を育てさせ、その人間の赤子から大人までの人生をすべて映像にするというのはやはり2時間でまとめるのは難しいのだと思います。母と子の話にするには、やはりマキアとエリアルが離れていた時間、2人がどのように過ごしていたかなどを入れるべきだったのだと思います。
この映画だけだとエリアルくん思春期だったからだとしてもちょっと勝手すぎじゃない?自分から出て行ったのに行かないでとか都合良くない?と感じてしまいました。
前半はマキアの母として子を守ろうとする姿、エリアルの幼いながらに母を守りたいという姿、本当にすごく良かっただけに後半が少し残念です。
岡田麿里さんの作品はいつもそうなのですが、ここだよ、ほら、泣いて!ね、泣けるでしょう?感は確かにすごいです。
ただそれも分かっていながらも、まんまと乗せられて泣いてしまうんですけどね。
分かっているのに泣いてしまう…だからこそこの人の作品はすごいと思います。
お涙頂戴ものが嫌いな方はあまり向かないかもしれないです。
予習せずに行って良い意味で裏切られた
全編ホンワカした恋愛モノかと思っていたら開始5分くらいで戦争っぽいの始まって音でかくてビビった
凄く綺麗で内容も感動した
最後の振り返りの映像は監督絶対泣かせに来てた
あんまりメインじゃないがクロウが一番好みでした
梶くんの闇堕ち感がやっぱ似合うなって思った
不老長寿の少女
あらすじ含め一切の予備知識無しで観賞。
ざっくり言うと、若い姿のまま成長する不老長寿の種族イオルフの少女マキアと人間の少年エリアルの絆(母子愛)の物語。
事前情報無しだったから故か想像以上によかった。まず、映像面は、さすが日本のアニメーション技術だと言わざるを得ない。高いアニメーション技術だからこそ、少々ファンタスティックな世界観は活かされ、細かなキャラクターの情動を感じ取ることができ、開始数分後にはすんなり映画の世界に入り込んでいた。
また、内容も、見た目の変わらない少女と人間の少年の家族愛というのは非常に新鮮な設定で興味深かった。
以降は、私の全く個人的な意見であるが、私は、今作には、母子愛というテーマの他に、人間の一生というテーマもあるんじゃないかと感じた。マキアとエリアルだけでなく、ミドとラング、レイリアとメドメルのように、随所で母子の絆が描かれていた。特にマキアとレイリアの対比はよかった。かたや血のつながりは無いが、息子を何よりも大切に思い傍に居ることのできる母親、かたや腹を痛めて産んだ娘を愛しているが、触れるどころか傍にも居ることもできず、顔すら知られていない母親。一緒に過ごした時間、過程、環境や状況も異なる2組の母子。しかし、2組には共通するものがある、母が子を想う気持ち、子が母を想う気持ち、どれだけ状況が違えど、母子の絆だけは普遍なのであると、二人の母親が我が子への決着をつけるラストで明らかになる。また、エリアルが結婚をし、子をもうけ、エリアルの死をマキアが見送る場面まであるのも大きな意味がある。生命
は、母からその生を受け、生を紡ぎ、そして死んでいく。この儚くも尊いサイクルを見届ける役が、不老長寿の種族イオルフもといはマキアなのである。故に、マキアがエリアルを見届けるまでのシーンを入れたことには、家族の絆や、単純にイオルフの宿命というだけでなく、人の一生という大きなテーマがあったのではないかと考えられる。これらのテーマに沿い、それを拾いつつ綺麗にまとめられた脚本・構成は圧巻である。
ただ、あくまで個人的な意見であるが、少し減点するならば、2時間弱という短い尺故か、登場人物、特にエリアルの感情の変化が若干わかりずらかったというところと、タイトルが少し詰め込み過ぎだと感じるところくらいだ。
しかし、ここ最近観たなかでも面白く、心に残る作品だった。
☆4.0とさせていただきます。ここまでご精読頂き、ありがとうございます。
母親は強い
二人の母親の物語でした。
マキアは戦争孤児の赤ん坊を少女の頃から、一人で育てていきます。
レイリアは、メザーテ王国に誘拐され、王子と結婚させられ、子供を産みます。
マキアは自分が産んだ子供ではないけども、母親をちゃんと演じているのかとずっと葛藤してます。
息子のエリアルも、母親なのかと葛藤することがありましたが、最後には母親でよかったと言ってくれました。
レイリアは、産んだ娘とはずっと会えず幽閉されていました。
無理やり産まされた子だから、放っとけばいいのではないかと、投げかけられますが、自分が産んだ子を忘れたことはなかったと、ずっと会いたいと言っていました。
二人の母親の力の強さを見せつけられました。
くっそ泣いた
いやずるいでしょこんなん泣くわ!笑
「母さん!」と「おかえり」は泣かないやつおる?っていうレベル。
疑問に思ったのは王妃にされたやつが娘置いて行っちゃうところぐらいかな。いや行くんかーいってなったわ。 それ以外はマジの名作!
縦糸の世界を生きるイヨルフの少女の物語
ネタバレあり
縦糸は時の流れ
横糸は人の生業
縦糸の世界を生きるイヨルフの少女達と横糸の世界に生きる人間達が交差し紡ぐ物語
非現実の世界観の中に母親とは何かという母親観を考えさせる!
今まで見たアニメ映画では群を抜いて好きです
優しい気持ちになれた
東京でコードギアスを見に行った際に予告編でこの作品が紹介されており、興味が湧きました。凪のあすからや花咲くいろはの制作会社であることもあってみにいったのですが。近年まれに見る素敵な作品でした。
ひとりぼっちで親を知らないマキナが、母親ってなんだろう、と奮闘する日々がすごく心に残りました。血の繋がりなんか関係ない、誰かを大切にしたい、という思いが伝わってきました。
レイリアとクリムにも幸せになって欲しかったです。こういう結末だからこそ、現実味があっていいのかもしれませんが。
報われない
報われないというか、とにかく長寿のキャラクター達がただただかわいそうだし救いがない。
母親というイメージに対してつくり手の理想がつまりすぎているし、エリオルくんはマキアに対してあまりに扱いが……特に守れないからって勝手に離れて子供作って再会出来たら行かないでくれはちょっと虫が良すぎでは……なんでマキアが謝ってエリオルが許すねんって思いました。一言あの時はごめんねっていって欲しかったしエリオルくんの行動が謎。結局初恋とごっちゃにしていたのかな……。
とにかくマキアが奪われていくだけの話だし愛が愛がという割に長寿側がほんとに誰も報われてないというか、キャラクターの気持ちが理解出来ないし後味が悪かったし感情移入の先もわからなかった。お酒飲んでヒビオルの買付けしてたお兄さんだけは理解出来た。
そもそも古の存在は人間には理解できないって話が書きたかったのならよくできていると思います。
絵と音楽と声優さんはよかっただけに残念でした。ほんとに評判いいのが謎なんですけどあくまで個人の意見なので受け止める側次第なのかもしれません…。
愛の連鎖
この映画で私が最も感じたのは「愛の連鎖とその美しさ」だ。
マキアは別れの運命を知りながらもエリアルを愛すことを決断し、
数百年生きるという数奇な血や、本当の親子でないという事実に二人は葛藤しながらも懸命に生きていく。
やがてエリアルは愛する人を見つけ、その二人の子も愛する人を見つけ・・・と、愛の連鎖は永遠に続いていく。
現実でも人を愛するということは様々な葛藤がつきものだ。
本当に自分でいいのか、幸せにできるのか、守ることはできるのか・・・
しかし、勇気と覚悟をもって愛することでその連鎖は生まれるのであり、それらがあるからこそ愛は美しい。
そして最後、運命に抗った結果を心から良かったと思い、母として「がんばったね」と声を掛けるマキアの姿には、カタルシスを得て泣いてしまった。
映像と音楽も良かった。
空や自然の描写、戦闘シーンは圧巻だった。
しかし一つ一つの話に厚みがなく、ただストーリーをなぞっているだけのようになっているのが残念。
2時間であのストーリーをやるとなると仕方がないという思いもあるが、個人的にはレイリアの話を省略して2個くらいの話を深堀りした方が良かったかも。
総合的には中身はすこし薄かったが最後に泣けたし及第点といった感じ。
泣ける映画
ラスト間近の
行かないで!!
母さん!!!で涙ボロボロでした(;_q)
ここからは私の解釈となりますが
自分が父親になって初めて
マキアの無償の愛に気づいて
マキアを心から母として受け入れた瞬間
本当に涙が出ました(;_;)
エリアルが今度は父親として生きていく…
かつての自分と同じように…
そして母としての終わりを悟って
静かに微笑み去っていくマキア…
涙が止まりません(;_q)
そして仲間を目の前で殺され
娘と引き離され1人孤独に生きていたレイリア…
娘と会うことを心の支えに生きていた矢先
死んだと思っていたかつての恋人が迎えにくるも
レイリアの娘への愛を理解できず最後は分かりあえぬまま……
全てに絶望し、のぞんだその先で見たのは
忘れかけていた愛する娘の姿……
それでも別れの一族として、娘のその姿に
自分のこれから味わうであろう孤独を予感し
耐えきれなかったレイリアは
「飛んでレイリア!!」
幻聴にすがるように駆け出し飛び降ります。
きっと心の中では、かつて自分がマキアに言った
「今度は絶対一緒に…」あの言葉を思い出していたのだと思います。
そして本当に現れたマキア………
驚きと孤独の終わり
そして別れの一族として選んだ決別……
涙ボロボロでした(;_q)(;_q)(;_q)
君の名は。のように分かりやすい感情の付箋はなく
個々の視点の解釈の多さに驚かされた映画でした。
映像もとても素晴らしい映画だったと思います。
ただサウンドにもっと深みがあったらもっと良かったと思います。
生き様
ハッピーエンドとか、バッドエンドとか、そういう物語ではない。
人間より遥かに長命である種族イオルフの血を狙う国家に里を侵略され、僅か15歳である少女マキアは旅に出る。
母親を知らない少女マキアが、何者か(盗賊?)に襲われて生き残っていた移民で人間の赤ん坊を育てる母子の物語が主軸。
イオルフの民は長命のなか、日々安寧に織物を作成していく。
縦糸と横糸。交わらなければ纏まらない、交差することで1つの織物になる。
この作品には沢山の登場人物がいて、沢山の人生が描かれ、沢山の交流がいろいろな人の生き様を構築していく。
それらは普段の自分たちであり、他の人たちであると思った。
自分たちは誰か(何か)と交わり、影響を与え、与えられ、自分たちを構築している。
まさに作品の世界の中のヒビオル。
もちろん観る人によって、抱く感想は違うだろう。
自身も泣くほど感動した、楽しかったというわけではない。
ただ、ただ、勉強になった。
マイナス要素が見当たらないので5評価。
一度だけでもいいし、観ないなら観ないでいいし、何度観てもよい作品だと思う。
王道には王道たる所以がある
「長命なエルフ(作中ではイオルフという種族ですが)が人の子を拾う」という公式ページのあらすじを見た瞬間、大半の人は結末が想像できるでしょう。
奇想天外などんでん返しがある類の映画ではなく、忠実にそれをなぞっていくものです。
●ストーリー
本作の主題の一つは、マキアとエリアルの関係性の移ろいでしょうか。天涯孤独になった二人が出会った当初、まだ一人と一人の関係から、「母と子」を目指すようになり、徐々にその枠になじんでゆく過程がまず序盤では描かれます。この後の展開が長命な種族を扱う上での醍醐味。母親であるマキアの年恰好は少女のまま変わらず、子であるエリアルはどんどん成長し、やがて母親を追い越します。思春期を迎えたエリアルとマキアの関係性は「母と子」に収まらなくなり、「男と女」という一面を少しだけ覗かせるようになります。「貴女のことを母とは思っていない」と告げるシーンは、お決まりではありますが、見ていても苦しい所ですね。
マキアと決別し独り立ちしたエリアルは軍に入隊し、やがて別の家庭を持ったことが描写され、いよいよクライマックスに突入。
勃発した戦争の中でエリアルはマキアと不意に再開。このシーンでエリアルはマキアのことを「母さん」と呼んでいます。ここで、二人の決別によって数年来「母と子」と「男と女」が入り混じった状態だった関係性が「母と子」に再び戻っています。
時が流れ、老いたエリアルが臨命終時を迎えても、マキアの姿恰好はやはり少女のまま。母が老衰した子を見送るという、人ではありえないシーンで映画は締めくくられます。二人の関係は形を変えつつも続き、エリアルの死後ですら途切れることはありませんでした。
この或る意味「王道」のストーリーを情緒豊かに描いているのは勿論のこと、国同士の覇権争いを絡めつつ、壮大な世界を提示しており、物語全体に窮屈さがないのが凄いところ。
大風呂敷を広げた代償としてところどころ瑕疵がないではないですが、壮大な世界観を提示しつつも、常に主題を前面に押し出して見事に纏め上げた良作だと思います。
説明不足な箇所もちょっとありますが、約100分にこの内容をまとめるならやむなし、といった所です。変にその辺説明して主題が見えにくくなっては本末転倒ですからね。
●演出
この映画には、演出が光るなと思う箇所がたくさんありました。例えば、イオルフと人が過ごす時の違いは、序盤に人と犬という形でも提示されます。犬と人の交わりは幸福に描かれており、遠からぬ未来に別れがあっても、その幸福の価値が薄れることはありません。「長命なイオルフの母が人の子を見送る」というクライマックスを、身近な例で相似的に再現する一幕です。
また、子供(後のエリアル)を抱えたまま死んだ母を見つけ、その指を一本一本引きはがして子供を奪い取るシーン。父母がなく、故郷までなくしたマキアが、誰かの愛の結晶である赤子を簒奪する様は、愛に飢えた様子を強烈に印象付けています。あるいは自分の生きる理由を強烈に欲していたのかもしれません。同時に母が子を思う気持ちの強さをも表しています。このあたりは見事な表現で、物語にぐっと引き込まれました。
●音楽
BGMはいい仕事をしてます。〇〇〇世みたく印象に残りまくる使われ方はしていませんでしたが、物語をよく下支えしています。あとEDの歌声が儚げでよい。
●絵
とにかく綺麗。街並みも自然の景色も、さすがだなぁと嘆息してしまう程。人物もアニメアニメした感じの造形ではないので、拒否反応を起こす人は少なそうな印象でした。
●総評
直情的に感動させにくる映画です。若干感動の押し売り感はあるけれど、いやもうお買い上げですわ(号泣)
イオルフと人が生きる時の違いは、誰しもが経験しうることです。出会いと別れを繰り返し、関係を蓄積してゆくことは生命の営みの一側面であり、そこに種別や寿命の長短は関係ないものだと思います。別れの悲しみを恐れるより、一緒に積み重ねる幸福を大事にしたいなって思いました。あと子供がほしくなりました。
さすがP.A.works、裏切らない
とても良かったです。族長の言葉「寿命が長すぎる我々は外の世界と触れ合っても他者を愛してはいけない。愛した者に先立たれて一人ぼっちになり悲しい。」というフラグを外に出た主人公が回収せず、「他者を愛し先立たれても悲しくない生き方をした。」というのがオチなのでしょう。しかしここが物語の落ち着け方としての描写が少なかったような気がします。しかしこれは物語として気にならないでしょう。15歳ながらに周りの助けを借りながらも赤ちゃんを育てようと、母であろうとするマキアや、マキアに育てられたエリアルの反抗期や母を守りたいと思いながらも力不足の自分に対しての憤り、王国に特別な血を求められ誘拐され人間の子を孕まされたエリアル、誘拐されたエリアルに好意を寄せていたクリム。これらの人物の描写にとても色々な感情で泣かされます。どの世代でも楽しめる作品でしょう。しかし中高生の子を持つ母親の方は特に楽しめるのではないでしょうか。
最後の静止画がほんと欲しい、飾りたい!(見た人なら分かります。)
結局なんの話……??
概ね高評価なので観てみましたが、酷評してる方々の意見に賛成です。本気で途中で帰りたくなった。
絵と声優さんのお芝居は良かったです。
引きのシーンが不自然に多くも感じて、段々絵のきれいさと音楽でゴリ押ししようとしてるように見えてきましたが。
ストーリーもキャラクターの人数も尺に合ってないから、ダイジェスト映像を見せられてるような感じでした。寿命の長さが違うっていう核になる設定が、そもそも二時間映画向きじゃなかったのかもしれない。
それでも少数のキャラクターに焦点を絞って、かつそのキャラが魅力的だったり、言動が一貫してたりしたらまだ感情移入できたかもしれないのに……。
長命の種族にとっては人間の百年足らずの一生なんてダイジェスト映像並みに一瞬の出来事ですよ、みたいな意図で敢えてそういう作りにしてるのかな?とも思ったのですが、だとしても逆効果ですね。そもそも後半生すっ飛ばしてたから一生を描いてもないし。
結局なんの話だったんだろう。
女ではなく、涙を見せない強い母になり、揺るぎない母性を確立した、とかいう訳でもなく。少なくともそれを明確に描写してるシーンは私には見覚えがないし、印象として最初から最後まで浮世離れした少女だった。
かと言って母ではない一人の女性として、彼を愛した訳でもなく。
息子側から見ても、どちらかと言うとマザコン肯定派な私でも、幼い内はともかくある程度成長してから恋愛感情と親子愛をごっちゃにしてるのはなぁ……。
恋愛だと認めた時点で親子愛を切り捨てるならともかく。
かと言って両立させるでもなく、逃げ出して別の女と一瞬で結婚し。
あるいは定義できないまったく新しい関係を築くでもなく、よくわからないまま疎遠になり。
何がしたかったんだ。
ヤンデレ美少年の役どころもよくわからなかったし、イケメン軍人もブレブレだし。まず軍人のくせに簡単にほだされないで欲しいし、ほだされたならもうちょっと行動しようよ……。
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