「桜井ユキの七変化」THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0桜井ユキの七変化

2020年10月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

難しい

二宮監督の予習として。
妄想と現実が混ざり合い、女優になったことでズブズブと壊れていく女性オリアアキの物語。
開始早々のポリゴンショックでだいぶやられました。
ぼくはわるいこだからおへやをまっくらにしてみました。
よいこはまねしないように。
ネオンの極彩色はどぎついですが、すぐに慣れ、とても美しく感じられます。
映像がとても綺麗で、写真が宙に舞うシーンや、銃を撃つ妄想のシーンは特に印象に残る映像でとても中毒性がありました。
同じく音楽も繰り返し聴き続けたいような、ポップながらもどこか切ないミックスで、特に主題歌である『Hummingbird』という曲に合わせてダンスを踊るシーンは、何故か自然と涙が出てきました。
軽く観ていた僕には、ストーリーや作品の意図は少し難解。
時制がごちゃごちゃなので、途中でついていけなくなりました。
実力勝負の芸能界、死者との決別、妄想と現実の混同。
劇中で重要な役割を果たす『ハムレット』をもっと知っていれば、もう少しわかる部分が増えたかも。
でももしかしたら、内容はあんまりないのかもしれません。
そういう意味では、頭空っぽでも観れると思います。
そして、この映画でおすすめできる最大のポイントは、桜井ユキさんたち出演者の演技。
体当たりで次から次へと姿を変える桜井ユキさんは本当に素晴らしいですし、一見悪そうだけど実はいい奴なブッチを演じた古畑新之さんは細かい表情の変化がとても上手かった。
高橋一生さんの、耳元で囁いてくるかのような色気は、他の誰にもできない感じがあります。
満島真之介さん、成田凌さん、阿部純子さんもほんの少しの出演ですが良かったと思います。
また、エンディング・クレジットの出し方が洋画っぽいなと感じました。
夢の中のような1時間30分。
作品としてはかなり賛否分かれそうですが、映像、音楽、演技力など何かとクセになる、とても好きな作品。
とんかつDJアゲ太郎は観に行けない気がしますが、チワワちゃんあたりを観て、もう少しパリピ感に浸っていたいです。

唐揚げ