「ただのピロウズファンは見る必要なし」フリクリ オルタナ ばんぺいさんの映画レビュー(感想・評価)
ただのピロウズファンは見る必要なし
前作のOVAでは主題歌だけピロウズだと思っていたから、冒頭のONE LIFEから身震いした。一話目を見終わった後は興奮が冷めやらず興味もない友達を呼び出して語りだす程だった。
今作でも劇中にピロウズが流れると知り前売りチケットを購入。映画館の音響でピロウズの曲を聴けるだけで満足できると思った。予告のstar overheadを聞いた時は余りにカッコよくて素晴らしい歌詞に期待が広がった。フリクリオルタナはスマホの音楽再生画面からの白い夏~の出だしに劇場に来て良かったと思った。でも、そこがピークだった。次点でFool on the planet。
ピロウズの曲が使われる場面自体も前作より大幅に減っている。前作ではピロウズの曲がインストで使われる事が多くあり、そこがまた良かったが、今作ではオリジナルの楽曲が多用されている。さわおさんはそれらインスト曲の出来を褒めていたけど、ただピロウズの曲に近づけた部分のある駄曲でしかない。たまに使われるピロウズの曲も新しい曲たくさんかと思いきやcrazy sunshineやI think I can等が使いまわされている。それらも前作ではあんなにシビれる使われ方をしていたのになんですか今回のクソ演出は。前作の映像と楽曲のシナジーでの異様な盛り上がりが今作にはまるでない。
なんで今作でピロウズ使ったの?何故使おうと思ったの?誰の意向?理由は?ただ前作に踏襲して好きでもないのに拘りもないのに使ったの?好きなのにこんな出来になったの?さわおさんは「今作はまだピンと来ていない」なんて表現してたけど、大人な表現をするもんだね。
劇場鑑賞を楽しみにサントラの収録曲も見ずに前作以降のピロウズの曲を予習してた俺が馬鹿を見た。
音楽以外の部分については、良くも悪くもという感じ。優しい目で見ていれば笑えるシーンはいくつかある。いくつか元ネタ分かるシーンがあってそこは楽しかった。でもカッコ良いシーンなんて全然無い。制作陣はどこかに一つでも前作に勝る要素があると思ったのかな?そしてまさか一話完結の形をそのまま劇場に持ってくるとは思わなかった。やる気なさすぎ。少しは劇場公開用に編集しなよ。
俺はプログレの前売りも買っているから見に行くけど、正直次回作への期待度は10%くらいになりました。
今作の評価すべき点としては、star overheadという新たな名曲を生み出すきっかけになったとこだけ。
少なくとも、初めて映画レビューを書くくらいには憤る出来映えだった。