劇場公開日 2018年5月12日

  • 予告編を見る

「I AM NOT YOUR WOMAN」私はあなたのニグロではない sonarさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0I AM NOT YOUR WOMAN

2018年5月29日
iPhoneアプリから投稿

映画やインタビュー、スピーチなどが引用され詩的な映画だった。ボールドウィンの言葉は力強く、ときに難解で一度観ただけでは深くは理解できなかった。ブラックアメリカンの歴史や事件に比較的関心を持ってきたつもりだったが、これは何を表象しているんだろう?と思う場面がしばしばあった。

映画の中の黒人表象については手厳しい。「手錠のままの脱獄」が黒人たちにはそんな風に解釈されていたのかと、リベラル白人の視点を内面化して観ていた自分自身に気づく。

黒人の子供が映画の中の白人ヒーローと自分が同じではないとある日気づく、と指摘する場面があるが、わたしも映画の中のヒーローに自分を重ねるとき、一度男性になり、それからヒーローになる。いつしか自分の人種、性が劣っているかのように思い込んでしまう。黒人のヒーローが活躍する「ブラックパンサー」の持つ革命的な意味と希望を改めて実感した。わたしにとってはフォースの覚醒。

「女性」バージョンも作れそうだ。
I AM NOT YOUR WOMAN.

ドロシーカウンツのことは初めて知った。立派な当時15歳。後ろであざ笑う男達もまだたくさん生きているんだ。

映画には女性も出てはくるが、その不在感からは黒人女性がさらに周縁化されていることにも気づかされる。

hyvaayota26