「母は強し」ソーラー・デストラクション 地球壊滅 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
母は強し
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ディザスター映画のような派手なポスターに地球壊滅の副題だが誇大宣伝、低予算なので派手なCGは無理なので人間ドラマで尺を稼ぐのは半ばお約束、悪役が絡むが母子家庭のホームドラマのようなティストでした。
大規模な太陽フレアの発生を予測した15歳の天才少年と事態の公表に懸命な大学の先生、公表を阻み予測を独占しようとする悪徳企業家との攻防が主なプロット、少年の母は何故か武道の達人で悪人どもを蹴散らしてしまう。
劇中で太陽フレアの予測は困難と言っているが地球との距離は1億4960万kmあるので瞬時に被害が及ぶ訳では無い、電磁波バーストでも8分19秒、誘導電流で送電網を破壊する太陽風、高エネルギー粒子到達は規模にもよりますが数十分から数日後になるでしょう。
現在は太陽観測衛星のお蔭でリアルタイムの常時監視が可能になっているし、宇宙天気予報なる情報公開も進んでいるから天才少年にしか対処できない話ではありませんね。
(ここから脱線)
小規模なフレアは毎日起きているが噴出方向が地球の方向であることは稀れでしょう、近年の地球に影響を及ぼした最大フレアは1959年のキャリントンフレアで推定X50と言われていますから超弩級のX206が起きれば映画の程度では済まないことは明白でしょう。
少年は黒点とシグモイド関数を基に予測計算したと尤もらしいこと言っていましたが経験則の範疇、最新の物理モデル予測では名古屋大学の宇宙地球環境研究所が電磁流体力学理論により巨大太陽フレアの発生位置を予測するモデルを開発し、『サイエンス』誌上で2020年に発表するなど最先端を走っています。
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