「デッカイアメリカの小さな正義と言う名の偽善??」ダウンサイズ Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
デッカイアメリカの小さな正義と言う名の偽善??
私はM・デイモンが好きなので、本作を観る時ちょっと子供騙しみたいで馬鹿馬鹿しいかなと考えつつも映画館へ行ったら、案の定、彼が演じるポールがいよいよ小人に(こういう呼び方は今では差別的な表現と非難されるかな?)変身をするシーンになると、どっぷりと深い眠りの世界へと落ちて行きました!
気が付いた時にはラスト15分位だったので???って感じで、意味が判らずに映画終了。
DVDレンタル出来るようになったのでリベンジ!最後まで見届けましたが・・・
やはり寝落ちはしなかったものの、米国の頭デッカチのリベラル派の映画作家達が環境問題及び、世界の貧困問題、格差社会をコメディーに映画として作ったとしか思えない作品に感じた。
人間という存在はどうも自己の置かれている世界には常に満足をしない生物のようだ。
それだから、その不便さを改善すべく、様々な発明が繰り返され人類の文化は進歩してきた訳だから、決して現状に甘んじないと言う事は悪い事ではなく、良い面が沢山有ると思うのだ。
そして人間が培ってきたこの社会は、沢山の問題を残しているが決して悪い世界では無いと思う。しかし、現実の世の中の出来事は悪い面が目立つので、加速する環境破壊問題を改善すべく、何かと策を講じる中でこんな映画が作られるのだと思う。
本作が描いているダウンサイズした世界はエコ生活で、理想社会なら、わざわざ貧困世界のスモールワールドを作る必要性は皆無だと思う。
如何にもディズニーランド等、夢のテーマパークを作り1日だけの現実逃避と言う安価な体験をして、日頃のストレス社会の出来事を忘れさせようと画策する、米国人達が発想しそうな映画だと思う。
結果、サイズが変わり、生きる環境は変化しても、自分は自分、ポールは何処へ移動しようともポールのままで、その人間の人間性は変わらず、生き様は変化しない言う事が本作の教訓なのだろうか?
ならば、ちょっと優柔不断で気弱なグッドガイのポールのキャラを描くのでは無くて、もっともっとこの世界には良い面が有り、良い面を伸ばす事で未解決の社会問題を解決へと導くヒントを描いて欲しかった。
ポールのようなキャラではなくて、一寸法師のような勇気あるヒーローを描いて欲しかった!
「光を見つけるには暗黒に入れ」と言うけれど、それも確かだが、光を得るには暗闇から離れろ、脱出しろとはならないのか?
ガリバーや、親指姫はポールをどう見るのだろうか?疑問が残った・・・