「YOSOMONO」クローバーフィールド・パラドックス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
YOSOMONO
J・J・エイブラムス製作の『クローバーフィールド』の一篇。
Netflix配信で見たくても見れなかったので、こちらもレンタルで見れて嬉しい。
『クローバーフィールド』の名を冠した前2作は同じ“DNA”で繋がれていながらも直接的な続編やシリーズではなく、それぞれ別個の作品。
前2作は地球が舞台で、それぞれドキュメンタリー・タッチの怪獣映画だったり密室スリラーであったが、本作は…
エネルギー枯渇が深刻な問題の近未来。
それを解決すべく、各国のエキスパートが宇宙ステーションで新技術の実験中。
近未来で宇宙が舞台となり、『インターステラー』のような将来起こり得るかもしれない問題や知的SFかと思いきや…
事故が起き、不可解な現象が続出。
窓から肉眼でも出来ていた地球が消滅…!?
やがて地球の位置を確認出来たが、それは“彼らの地球”ではない。
壁の中から、声と見知らぬ女性。
機器が消え、ミミズが消え、腕が壁に飲み込まれ、クルーが一人ずつ犠牲に…。
事故が原因で次元にズレが生じ、彼らの次元に別次元が侵食した事により、理解も説明もし難い怪現象が。
クルーたちは“彼らの地球”に帰ろうと奔走するが…。
逃げ場の無い宇宙ステーションという限定空間。
極限状態のサバイバル。
クルーたちを襲う怪現象の恐怖と戦慄。
その昔見た『イベント・ホライゾン』(←懐かし~!)を彷彿させる、SFサバイバル・ホラー!
それでいて本作は、『~HAKAISHA』の前日譚でもある。
クルーたちの宇宙でのサバイバルと並行して、地球では“何か”が襲撃。
蠢く巨大な影、ラストシーンに姿を現したのは、あの“HAKAISHA”!
キャストも国際色豊かな顔触れで、一本のSFサバイバル・ホラーとしてはそれなりに面白いが…
『クローバーフィールド』として見ると、ちょいとツッコミ所が。
まず、『~HAKAISHA』は現代が舞台だったのに、前日譚である本作の舞台は近未来。これも次元のズレの問題…?
もっと色濃く巧みに『~HAKAISHA』に繋がるのかと思いきや、そうでもなく。ラストに“HAKAISHA”が登場して、実は同じ『クローバーフィールド』ですよ~と、無理やりこじつけてる感が…。
それから、これも不可解な謎。他のキャストは英語なのに、チャン・ツィイーだけ母国語。何故…?
つまらなくはなかったが…。
『クローバーフィールド』という同じDNAで繋がれていながらも、本作だけ“YOSOMONO”感半端無かった。