「(デジタルは)情報が簡単に流失し、制御不能になる」盗聴者 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
(デジタルは)情報が簡単に流失し、制御不能になる
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映画「盗聴者」(トマス・クライトフ監督)から。
「ベルギー・フランス合作」とはいえ「劇場未公開作品」、
そんな前提知識しかなく観終わった。
ストーリー的には突っ込みたくなる場面も多いが、
「盗聴音声のテープ起こし」という仕事の設定が新鮮だった。
音声とはいえ、ほぼ簡単にデシダル化できる時代に、
紙にタイプライターで打つ、という原始的な作業の意味、
それは「盗聴音声」であり証拠は残したくないのか、と考えたが、
その意味を、作品の中で説明していた。
「デジタルは信用できません。情報が簡単に流失し、制御不能になる。
だから、紙とタイプライターを使います」とはっきり。
思わず頷きながら、メモをした。
デジタルは、検索や保存が容易だし、コピー・ペーストも簡単。
そう思っていたが、それを良しとしない考え方もある。
簡単に扱えるということは、簡単に流失することでもあるし、
それが誰の手に渡っても、もう自分では止めることはできない。
制御不能となったデジタルデータほど、怖いものはない。
全世界に広がることだって、考えられる怖い世界だ。
自分だけならまだしも、大切な家族や友人の写真などが、
インターネットの世界に広がるのだけは避けたい、といつも思う。
だって、悪用されて拡散されても、私には制御できないのだから。
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