「随分と骨太」祈りの幕が下りる時 fujitaka1217さんの映画レビュー(感想・評価)
随分と骨太
2016年公開なので、10年近く前の作品になる。
思っていた以上に阿部寛が若い。
今となっては流石、と言わざるをえないが、桜田ひよりと飯豊まりえの演技が素晴らしい。
松嶋菜々子の芝居も、キャリア最高ではないだろうか。そんな松嶋菜々子の若い頃を
説得力のある芝居で演じた彼女たちは、本当に胸を打つ瞬間ばかりだった。
確かに前半は、どこかツルッとしたまな板の上で勝手に話が滑って行ってるような印象だったが、阿部ちゃんが自分の内面に目を向けた一人語りから、物語が地に脚を伸ばした感覚があった。
同作家のガリレオ以上に重く、深く、悲しい物語を、怒涛の後半で堪能できた。
砂の器的、悲劇の連鎖が好きな団塊の世代にはたまらないだろう。
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