世界でいちばん長い写真のレビュー・感想・評価
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青春絵巻物
高校の写真部副部長の宏伸(高杉真宙)は引っ込み思案で文化祭の展示室の取得にも失敗、うだつの上がらない日々を過ごすばかり、仲間からも宏伸でなくノロブと呼ばれています。しかし高校最後の夏休み、従妹のリサイクルショップで貰った360度撮影できるパノラマカメラ、高台からの風景やひまわり畑を撮ったパノラマ写真の素晴らしさに感動し生きがいを見つけた宏伸でした。ひまわりって成長時期しか太陽を追わないんですね。
後半になってカメラの持ち主だった爺さん登場、インド帰りとか言ってましたが詳細不明、爺さんが言うには、このカメラは山本新一という友人からメンテの為に預かったパノラマカメラ初号機で現在4号機が有り世界最長のパノラマ写真が撮れるそう、そのカメラを博物館に寄贈する予定だが宏伸に貸してくれるという。写真部の仲間たちにも認められて学園祭で世界最長のパノラマ写真をとる実行委員長になります。被写体は生徒全員で運動場に円を描くようにカメラを取り囲みます。学園祭で盛り上がっていく青春の日々、さて、最長写真はどんな写真になったのでしょう・・。
そのカメラは劇中でも爺さんが言っていた山本新一さん、「日本手作りカメラの会」の会員で愛知県在住の人物がマミヤのカメラを改造して作ったもの、山本さんのギネス認定となった写真は横145メートル、縦35.6センチメートルの継ぎ目の無い1枚写真。撮影は2000年12月18日、愛知県の日本福祉大学付属高等学校の生徒約650人が同カメラを直径36メートルの円形で取り囲み、カメラを約12回転させて撮影したもので、まさに本作のベースとなった写真で、笑顔満載の青春絵巻物です。千代田区の日本カメラ博物館に収蔵されており、特別展などで展示されたそうです。
タイトルなし(ネタバレ)
青春映画。凄く爽やかでキラキラしてる。グダグダしてなくて良い。いとこのお姉さんとか、そのお姉さんに恋をする友人とか、学校の可愛い女の子に恋をする主人公とか、でもそのどれも実らなくて現実味がある(笑)ただ過度に恋愛に振り切った青春映画ではないのもまた良いな〜と思う。ただただ一つの事に直向きになれる時期は本当に儚くて大切なものだと実感させられた。エンドロールは戻らない青春を思うと切なくなる。年の瀬にこんな映画を見られて良かった。また来年の夏にみたい。
メキメキ上達してきたらさぁ、楽しくなっちゃって
映画「世界でいちばん長い写真」(草野翔吾監督)から。
360度の撮影が可能な珍しいパノラマカメラを偶然見つけ、
半信半疑で撮影した写真の出来栄えに驚き、主人公は何かを感じ
360度の撮影したい景色を求めて、街を自転車で駆け回るシーン。
「結構難しいですね、360度ぐるっと撮りたい景色って
何か1つは邪魔なものがあるっていうか」と必死にロケハン。
面白い景色が撮れるから手当たり次第試してみるのではなく、
自分で納得のいく360度を探すシーンが好きだった。
そして知らぬ間に、そのカメラを使いこなして感性を磨き、
みんなの思い出となる、大きなイベントへと繋げていく。
その気持ちは、台詞では表現されていないけれど、
代わりに、主人公の従姉・温子さんが、たこ焼き器を使って、
山ほど作るシーンがあるのだが、そこにヒントがあった。
「作り過ぎでしょ、フードファイターじゃないんだから」
の言葉を受けて、それでも作り続けてこう言う。
「メキメキ上達してきたらさぁ、楽しくなっちゃって」
人間誰でも上達する時の感情に「楽しい」があると思う。
主人公も口には出さなかったが、楽しそうに見えたから・・。
それが自分の自信へとつながり、結果を出していくこととなる。
久しぶりに、残したメモの多い作品だったなぁ。
確かに映画として難点もあるとおもう。
わざとらしかったり、カメラグラグラだったり、登場人物の背景が見えてこなかったり。
それでも走る彼女、回る彼を観てて泣いちゃいました。エンドロールの最後の最後に、見たかった顔がありました。
私も、よくわからない機械や珍しい部品をもらったり見つけたりしたときに「興味がわくと」使い方や歴史を調べたり専門家に教えてもらったりしてハマって行きます。というかそういう興味から仕事や趣味の知識と経験を積み重ねてきました。きっと誰でもそういうスイッチの入る瞬間がありますよね。この映画では今まで「まあいいや」みたいな感じだった主人公のスイッチが入るところ、それを見てる友人やイトコもうれしそうで、なんかすごくよかったなー。
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