累 かさねのレビュー・感想・評価
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主役2人が良かった……
原作は2人の出会いくらいまでをいくらか前に読んだきりだったのでぼんやりとしか覚えてませんでした。
端的に言うと主役2人が良かったです。
はじめ、太鳳ちゃんは少女漫画実写化、芳根ちゃんは少し前にやっていた花道のお嬢様や朝ドラのイメージ。
だから芳根ちゃんに期待をかけて観にいきました。
まず、期待の芳根ちゃん。
オドオドした累も、自信のあった顔ではなくなり世間の目に怯えるニナも本当によかった。
期待通り、というか期待以上でした。
次に太鳳ちゃん。
性格悪いニナ……少女漫画の太鳳ちゃんより、こういう役柄の方が好きだな。美しさを武器にする快感を覚えた累も良かった。
想像以上の素敵な演技でした……。
本当に二人とも素敵だった。
素敵といえば、烏合さん。
出てきた瞬間、関ジャニ横山くんだ!とびっくりしてしまいました!
(本当はきみちゃんんんって心の中で叫びました。)
累にメロメロな烏合さん。
条件反射でバラエティの彼の姿がチラつくんだけど、“ちゃんと”烏合さんでした( ¨̮ )
よかった。
巧いです!
芳根京子の幅のある演技にただただ引き込まれる
平坦。
二人はキスするほどの深い仲
土屋太鳳と芳根京子が反発しあいながらも、お互いになくてはならない存在なのをよく演じていました。「美貌」と「天性の演技力」、表面的なものはキスで簡単に交換できても、内面は交換できない、最終的に得するのは演技力のある累(かさね)の方というわけか。最初は累を利用しているつもりのニナが、だんだんと自分を乗っ取られていく恐怖を抱く。最後の劇中劇「サロメ」は累の決意表明みたいなものだ。自分はニナの犠牲の上にでも演技を究め、母と同じ道を歩むという。
ニナも累も顔を交換する強い動機を持っていると思われるが、肝心のそこがボケてしまって二人のドロドロ劇ばかりが印象に残った。浅野忠信演じるマネジャーの羽生田が全体を支配しているような重要な役なので、彼に視点をあてて見るのも面白いかもしれない。
アイデンティティのありか
ドッペルゲンゲルというドイツ語はもうひとりの自分を見る幻覚の意味で、芥川龍之介やドストエフスキーもそれについて言及したり作品を書いたりしている。ひとりの肉体の中に異なるふたつの人格が現れる設定ではスティーヴンソンの「ジキル博士とハイド氏」が有名だ。
本作品は、それらとはまた一線を画した設定で、ふたりの女性の、心ではなく外見が入れ替わる。当人たちにとってはドッペルゲンゲルのように、自分そっくりの他人を見ることになる。こういう設定の場合は、わかりやすくするために性格の違いを際立たせる手法があり、往々にして善と悪、白と黒といった違いになりがちであるが、本作品はそういう手法に頼らない。
性格で言えばふたりとも強気であり、癲癇質である。違いは生きてきた環境と劣等複合だ。それぞれが持つ劣等複合が、ふたりの関係にダイナミズムを生じさせ、物語をぐいぐいと進めていく。アイデンティティのありかは肉体にあるのか精神にあるのか。観客は揺さぶられ続け、スクリーンから目を離すことができない。
異なる二つの人格を演じた若いふたりの女優はいずれも熱演だった。特に土屋太凰は、異なる人格で劇中劇の同じ役を演じるという難役を見事に演じ切ったと思う。特技のダンスもうまく生かせていた。
浅野忠信が演じた羽生田。この男の目的は何なのか。ニナが地下室で見かけた数十年前の写真に写った姿は、いまとあまり違わない。この得体の知れない狂言回しを浅野忠信が存在感たっぷりに演じ切った。この人の存在がなければ、ふたりの女優の見事な演技も上滑りしたものになっていただろう。
中途半端
二人の演技が素晴らしい
原作ファンです。 よくTwitterなどで「ブスじゃない。美人だ。...
原作ファンです。
よくTwitterなどで「ブスじゃない。美人だ。なめてるの?」という意見がたくさんありましたけど、観に行ってみると絶対180度見方が変わると思います。
芳根京子の劣等感の塊の叫び声や偽物が本物に変わる瞬間の瞳と声の演技がほんっっっとに素晴らしく身震いしました。芳根京子が美人だということさえ忘れるくらい見事にかさね役を演じきってましたね。
SIAのアライヴという曲を土屋太鳳が踊っていたんですけど、これを見た瞬間、土屋太鳳は闇を抱える女性の役が一番似合ってると思っていて、絶対ニナ役合ってると確信しながら観に行きましたが、想像を越えるくらい素晴らしかったです。
特に好きなのがサロメのシーン。艶やかで妖しく笑う瞳と唇が美しさの暴力。表現力を最大に活かしきった演技で迫力があり、112分がめちゃくちゃあっという間でした。観に行ってない方はぜひおすすめします。
気づいたら映画の中!!
ザ・若手女優映画
土屋太鳳に飲み込まれる
原作はあらすじしか知らず鑑賞。
なんといっても土屋太鳳さん!凄い!
いったい何役やってるんだ。
最後は土屋太鳳に喰い尽くされます。
本当に圧巻、凄まじかった。
芳根京子さんの演技は繊細な印象。とても巧い。でもすべてにおいて線が細いのが残念だし肝心なところであと一歩セリフに深みがない。巧いんだけど。
彼女の繊細な演技はドラマ等のテレビの方が映えるのではないかと思った。
とはいえ、主演のお2人の演技は本当に素晴らしかったので、見る価値あり。最後のサロメの舞台を見ただけでも映画代を出した甲斐があるほど。
この映画を観て思ったのは、日本映画界はそろそろ「土屋太鳳」という底知れない才能と真剣に向き合わなければならないのではないだろうかということ。青春映画にキャスティングしている場合ではない。これ以上才能の無駄遣いをさせてはいけない。
教えられました
困惑。
漫画×演劇
climaxが良ければいいってもんじゃない!
基本的な映像と主演の2人が素晴らしかった。それ故に劇中劇の質が予想以上で、舞台劇というものに全く興味がない自分でも、あのサロメには見入ってしまった。当初は、どうせあのケン・ラッセルの映画サロメなんて超えられるわけない、なんて侮っていたけれど、魅力は違えどなかなかどうして捨てたもんじゃないと思えるほどの質だった、そのクライマックスは─
でも、主演2人のほかは完全に端役扱いなところ、説得力のない顔と顔の葛藤、あまりに顔立ちに固執しすぎるところ、よく分からない病気を持ちだして都合良く展開していくところ、などなど、かなりの根幹部に対して不満を抱いてしまって、感動や興奮みたいな感情的な揺らぎはほとんど無かったような気がする。
この映画が主張しているところは強烈に伝わってくるし、質の高い作品だったけれど、個人的にはサビだけだったなーという印象で、それだけじゃあ手放しでは評価はできないといったところ。
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