劇場公開日 2018年9月7日

「二人はキスするほどの深い仲」累 かさね ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0二人はキスするほどの深い仲

2018年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

土屋太鳳と芳根京子が反発しあいながらも、お互いになくてはならない存在なのをよく演じていました。「美貌」と「天性の演技力」、表面的なものはキスで簡単に交換できても、内面は交換できない、最終的に得するのは演技力のある累(かさね)の方というわけか。最初は累を利用しているつもりのニナが、だんだんと自分を乗っ取られていく恐怖を抱く。最後の劇中劇「サロメ」は累の決意表明みたいなものだ。自分はニナの犠牲の上にでも演技を究め、母と同じ道を歩むという。
ニナも累も顔を交換する強い動機を持っていると思われるが、肝心のそこがボケてしまって二人のドロドロ劇ばかりが印象に残った。浅野忠信演じるマネジャーの羽生田が全体を支配しているような重要な役なので、彼に視点をあてて見るのも面白いかもしれない。

ガバチョ