「向き合う」栞 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
向き合う
「さあ、これから」と周りの人間が思ってるだけで、絶望の縁に立っている人もいる。もうダメと分かっていても、命を繋ぎとめようとする人もいる。
そんな医療の現場で、医者ではなく、リバビリを手助けする理学療法士の視点で描かれた、生きることに力を与える物語だ。
雅哉こと三浦貴大さんの抑揚を抑えた演技は、逆に観る側の想像力をかき立て、心を揺さぶる。
治療に直接携わることのないもどかしさや、傍観者に過ぎないといった葛藤があるのだろうか。無力感に覆われてしまうのだろうか。でも、どこかで一歩踏み出さないといけないのではないか。
そして、雅哉の患者達や、周りの人々との交流を通して、命というより、「生きる」ということは、どういうことなのか考え始めてる自分に気がつき、自分に向き合っていく。そんな映画だ。
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