「少しチープにも感じました」ナインイレヴン 運命を分けた日 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
少しチープにも感じました
9.11テロ。ワールドトレードセンターのエレベーターに閉じ込められた5人を描く物語。
映画「ワールドトレードセンター」を思い出す映画ですね。
偶然乗り合わせた5人の男女。性別も、人種も、そして社会的立場も違う人々が、戸惑い、恐怖し、反発し、助け合います。
人間関係やエレベーターからの脱出など、派手な演出は控え、比較的淡々と描かれています。フィクション作品ではありますが「9.11」を舞台にした映画。その「淡々」が実話と錯覚させるような緊迫感を与えてくれました。
この作品の残念なところは「エレベーター制御室側の描き方」にあったように思います。
突然のテロ、多くの人命の危機を目の当たりにしてパニックになっている状態のはずですが、ここの描き方が少し軽んじられているように思いました。例えば、テロの情報で騒然とする雰囲気、警察や消防との絶望的なやり取り・・・それでも恐怖に耐えながら使命感で制御室に残る人々、そんなシーンをもっとしっかりと描ければ、緊迫感も大幅に増したのではないでしょうか?
そして、対比として、エレベーターの中の描写を抑え目に描ければ、映画としての深みが増したように思います。
評価は標準としました。
コメントする