J ビヨンド・フラメンコのレビュー・感想・評価
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ただその踊りと情熱に身を任せるだけでいい。
スペインの巨匠、カルロス・サウラ監督が放つドキュメンタリー。フラメンコの起源のひとつである「ホタ」について描いた作品だ(それゆえ原題も”Jota”)。カウラの出身地であるスペインのアラゴン地方は、まさにこのホタの発祥の地でもあり、そのリズムやステップから現代のフラメンコとの違いや繋がりが感じられて興味深い。またそこにはアラブの伝統も息づいていて、古よりこの地が様々な地域と交流を続けてきた伝統が伺える。 サウラは無駄な要素をいっさい省き、広いスタジオにスクリーンや鏡を用意し、時に色鮮やかな照明とカメラワークを駆使してダンサーや音楽家たちの一挙手一投足をダイナミックに写し取っていく。ドキュメンタリーだからといって説明もほとんど無し。観客はただこのリズムとメロディ、そしてじっとしていられなくなるほど情熱的な跳躍を、ただ一身に感じて、体内で燃焼させれば良い。ただそれだけでホタの魂が伝わってくる。
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