劇場公開日 2017年7月28日

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「クリストファー・プラマーが光る佳作」偽りの忠誠 ナチスが愛した女 zeruminaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5クリストファー・プラマーが光る佳作

2020年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

難しい

Amazonのリコメンドで何となく見始めたのだが、ヴィルヘルム二世の退位後が全く知らなかったので、その辺りの物語、描写は楽しく観れた。
また、ヴィルヘルム二世を演じるクリストファー・プラマーの演技が素晴らしく、権力者としての責任と挫折を感じつつ、復権への淡い希望を持つ老皇帝(元、だが…)に好感を抱かずにはいられなかった。味のある、というのはこういうのを言うんだよなぁ…しみじみ。

ところで、本作にはもう一つ物語の流れがあり、これがドイツ軍の将校とユダヤ人スパイの恋物語なのだが…個人的に、こっちは全く心に響かなかった。
二人の立場と時代設定から、どのようなドラマが展開するかの予想は難しくないと思うが、ホントにそのまんまで反応に困る(笑)
男も女も機転が利いて痛快という感じでもなく、ありきたりな悲劇にすらならないので、ホント何がしたかったのか…こっちの流れもオチをつけてくれるのはクリストファー・プラマーなのである。
そんだったら、ちゃんとした史劇として作ってくれた方が好みだったなぁ…

あと、ありがちな文句ではあるのだが、邦題はなんとかならなかったのか(笑)
(原題:The Exception、原作小説が『The Kaiser's Last Kiss』←これ良いよね)
「偽りの忠誠」ってのが、誰の誰に対する忠誠なのか全くわからんし、そもそも主人公(老皇帝ではなく、ドイツ軍将校の方)は国防軍の大尉であって、ナチスですらない…
とりあえず、サブタイトルを付けるのはそろそろ禁止にしたいぞ(笑)

zerumina