「現代の香港」霊幻道士 こちらキョンシー退治局 ヒックス伍長さんの映画レビュー(感想・評価)
現代の香港
霊幻道士一作目で道士の弟子の一人を演じたチン・シュウホウやベテラン俳優リチャード・ンなどが顔を揃えた現代版キョンシーホラー。
基本的にコメディやラブロマンス要素を軸に展開するストーリーだし、邦題は霊幻道士と銘打っているので、いわゆるサモハン製作のアクションキョンシー路線のアップデートを狙ってはいるのだろうと思われるが、ことアクションパートに関しては作品を通してほぼ皆無で、全盛期で見せたキョンシーとの素晴らしいバトルアクションはかけらもない。とりあえず掘り下げられた部分としてはまずホラー要素で、2013年公開の清水崇プロデュース「リゴル・モルティス/死後硬直」(翌2014年のシッチェス映画祭で邦題がキョンシーに変更)系の現代的ゾンビホラー路線の影響が強いのではないかと思う。
そして一作目のオマージュなのか、何故かキョンシーに耐性を持つイケメン主人公がミイラ化した女性キョンシーを蘇らせて恋仲になるというサブストーリー。
(一作目ではチン・シュウホウ演ずる弟子が、若くして死んだ女性の幽霊に惚れられて取り憑かれ大変な目に遭うというサブストーリーがあった)
結果、この展開が長かったせいか、肝心のキョンシー退治はそれほど見せ場もなくあっさりと片がつく形となった。
正直、現在の香港映画に当時のアクション路線を求めるのは酷な話かもしれないし、そもそもあの頃の無茶苦茶なフィジカルアクションは倫理的に実現が不可能なのかもしれない。
ラム・チェンインが道士だったアクション路線はもはや前時代のクラシックという位置付けなのだろう。
いやしかし、リチャード・ンやエリック・ツァンも歳を取ったが、まだまだ健在で何よりだと思った!
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