「「無償の愛情はあっても・・・・”無償の友情”なんてものは存在しないのよ」」トモダチゲーム 劇場版FINAL Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
「無償の愛情はあっても・・・・”無償の友情”なんてものは存在しないのよ」
終わり方はやっぱりファイナルなので多少違うけれど、それも含めてほぼ原作通りで、シリーズの内容的にはライアーゲームに近い感じの作品です。
ライアーゲームと同じように、必勝法は他人を信じることなんだけれど、この作品では他人が友人になっている。
他人を信じるより友人を信じる方が難易度が低いような気がするけれど、友人だけに逆に信用を利用して裏切るのは簡単だし、特に友人を裏切ればたいへんなお金が入ってくる場合や、自分の借金がなくなる場合、その人の経済状態や金額にもよるけど、クリアは難しくなると思う。
それに加えて登場人物が曲者だらけ。
登場人物の中心は高校生で、まだ若いのにけっこうドロドロの過去を持っていて、悲惨な家庭環境の人もいるし、本当は何を考えているのか全くわからない人ばかり。
でも実写化するとそのドロドロの部分がマンガより引き立ってくるので、原作より実写の方が面白かった。
原作のトモダチゲーム2巻に、「無償の愛情はあっても・・・・”無償の友情”なんてものは存在しないのよ」という台詞があった。
当たり前のような気がしなくもないけど、中々の名言のような気もする。
確かに自分にとって何の利益もなく、不愉快な思いをさせる人間と友達になりたくはない。
でも本当にそうなのかはいまだによくわからない。
今の世の中ではトモダチとか考えている人はトモダチゲームみたい
にどんどん負担を押し付けられて沈んでいくみたいな感じがする。
東日本大震災の時の米軍の”トモダチ作戦”などまさにそのもので、トモダチとか言いながら近づいてきて、後から大金を要求している。
トモダチ作戦というよりトモダチゲーム作戦という方が合っている。
こういう状態は何も友達だけではなくて、親子、夫婦、兄弟などの家族(昔『家族ゲーム』という映画あったけれど今は当たり前・・?)、恋人や結婚も、それから親戚なんて最たるものだけれども、お金が全ての世の中のせいで、そういう関係がみんなトモダチゲームのようになってきたような気がする。
本当にみんなトモダチゲームみたいになったら、全部クリアできる人はまずいないし、初めから参加する人がいなくなると思う。