「オープニング最高!!」ベイビー・ドライバー 明烏さんの映画レビュー(感想・評価)
オープニング最高!!
いきなり4人の顔のアップ、アップ、アップ、アップで「誰?誰?」となっている間に颯爽と銀行へ向かう3人、ならず者感がビシビシ出てる!
からの、ジョンスペ!『ベルボトム』!ノリノリのベイビー!
からの、爽快カーアクション!カメラワーク&編集サイコー!!赤い車の必然性もちゃんと出す。
からの、80年代っぽいタイトルバック!
からの、コーヒー買って戻るまでの長回し!
ここまでのワクワク感ほんっとに最高です。
思わずニヤケてしまいました。
そのままかるーくラブロマンスを絡ませたジャンル映画の王道を突っ走るかと思いきや、主人公の過去話や共犯者たちとのエピソードをうまい具合に織り交ぜてヒューマンドラマチックなストーリーテリング。青春だなぁ。
主人公の功罪もしっかりと描き、どの役柄に対しても侵した罪の償いは劇中でしっかりと与える脚本にも好感がもてる。それがあるから後半までのベイビーなら他人を傷付けるなんて絶対にしない奴だったのに愛する人が出来、守る者が出来た事で背負わざるを得なくなった罪や葛藤が活きるしそれに対して決して逃げずに向き合う姿に胸が熱くなった。
けど、人は殺して欲しくなかったかな、、。
主人公が聴いている音をBGMとして共感させ、映像もそれにシンクロする作り込みは新しいし、イヤホンを外した時の耳鳴りまで鳴らせる事で観客が入り込みやすくしていて面白い。だが、もう少しストレートな選曲でも良かった気がしないでもない。
ところどころ意味不明な行動をとる登場人物が多いが「あー、こういう人なのね」と納得させてしまうスピード感があるのでそんなに気にならなかった。
欲を言えばカーアクションをもう少し見たかった。後半は銃撃戦(これもリズミカルで良かったが)が増えてカーアクションが激減。予算不足か?
ラストのバディとのくだりなんかはバリバリのカーチェイスを期待していただけに少し消化不良。橋の上でも「突破して逃げるのを観たい」と思う自分と「やめとけ」と思う自分がいた。
カーアクションものはあまり好きな方では無いけれど、こういうジャンル映画の枠から飛び出した意欲作は大好き。絶対に映画館で観た方が面白い作品。DVDで見るにしても音は良い出力で聴いてください。なかなかの良作でした。
あと、ベイビーの女性の口説き方が意外に上手くて草生えました。女性経験無さそうな設定なのに割とイケるクチじゃねえかと、、、。