「ラストの無言」真っ赤な星 takavichさんの映画レビュー(感想・評価)
ラストの無言
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パラグライダーの降下地点の奥行きある緑、青い空、天文台のドームを開けた星空のシーン、薄暗さや暗闇の使い方、雨降る窓に干された下着…惹かれる撮り方がたくさんありました。
物語としては、一つのテーマに着地させる為に作ったというより、恐らく自身の内面に渦巻くものを作品に落とし込んで昇華させたのだと思います。商業映画は巷に溢れているので、こういった動機の作品を見ると感情を刺激されますね。
陽の心を想像すると、「マイノリティ」という括りでもなく「愛」と呼ぶには少し違和感のある、不思議な感覚になりました。客観性の無い愚直で不器用な愛を、自分が大人になるにつれて抑え込むようになってしまったのかな…。独占欲も時には美しく見えるものですね。
2人は一緒にいてもきっと苦しいんだろうね。刹那を生きる事でしか幸せだけに浸る事はできない、そう思わされた映画でした。
ラストシーン、弥生を無言にしたところが一番好きかもしれない。それは優しさなのかも。恋の儚さも終わりのあっけなさも知っている大人なんだろうな。
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