「それでも、やっぱり家族」blank13 棘さんの映画レビュー(感想・評価)
それでも、やっぱり家族
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父の失踪により、家族ひとりひとりがやるせない負の感情を持って生きていく。父の死によって父本人もまた、誰よりも傷を背負って生きていたことを知り、それを共有していたことが家族の証明であったと、皮肉にも葬式の場で気づかされる。絵に描いたように幸せなだけが家族ではない。そばに居なくても、どうしようもない父親でも、そしてもう文句を言うことのできない相手であっても、やっぱり家族。そんな家族のあり方が、静かに寄り添うような温かい目線で描かれている。
憎しみからは何も生まれない。憎んだ相手を許すことができたら、その時やっと前に進めるのかもしれない。
最後の母が煙草を燻らすシーンがとてもいい。
斉藤監督の今後に期待しています。
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