「居心地の悪さを楽しむ」blank13 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
居心地の悪さを楽しむ
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豪華な葬儀と質素な葬儀、
家族の知る父親と友達が語る「まっちゃん」、
兄と弟、
妻と息子、
そして父と息子。
全ての対比をカットだけで見せ、
しかも説得力もある。
これはすごいな、サイトーサン。
多少演出の粗さというか、
久々に対峙した父への息子の態度とか、
葬儀での長男の行動とか、
(監督、自分の演出もちゃんとせい)
もっとこーして欲しいというのはあるものの、
よく出来ている。
急に転調する葬式では、
司会:佐藤二朗でいつもの彼だが、
めんどくさい佐藤のボケと他の仲間たちに対する親族の居心地の悪さ、
豪華な葬式では、終始泣きっぱなしのオバさんに対する周囲の居心地の悪さ、
食事の最中に来る取り立て屋、
怪我しても夜の仕事に出て行く母を見守る子供、
全部居心地悪い。
居心地悪いのが上手いこと出来てるのが良い。
次男イッセイ高橋はとにかく一番居心地悪い役を見事に演じている。
見舞いに行かないと言いながら行ってしまう、心の奥の昔の大好きだった父親を忘れられない、でも許せない父親への葛藤。そんな自分も父親になる。葬式では父親の確認作業が出来て、「ちょっと悲しい」。
作文の件は出来過ぎだけど、ちょっと感動。
ベストアクトですよ。
サイトーサンも、あれくらいの出演量で良い。
監督脚本主演までやる人結構いるけどちょっと諄くなっちゃうから、顔のアップも無いしこれで良い。
尺の短さは、基本的に辛くて悲しい貧乏シーンが多かったからこれくらいで良いのかなと思います。
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