The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめのレビュー・感想・評価
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秘めたる情欲
戦時に少人数の女だけで囲い暮らす中、男前の兵士さんが一人やってきたらそりゃドキドキしてムラムラしちゃうよな…
伍長に惹かれ、互いに嫉妬の目で睨み牽制し合う女達にゾクゾクした。
ただ、冗長で一人一人の描写も薄く、のめり込み心に触れるものは全く無かった。
それぞれの揺れ動く心情も唐突に感じるものが多かった。
事件後の伍長の怒りっぷりは人が変わったようで恐ろしかったけど。
女性陣のビジュアルや衣装のドレス、舞台の森と学院がとても美しくて、絵になるシーンがたくさんあったので見ていて飽きなかったのが救い。
もう少し光を多めにあててくれたらもっと綺麗に見えたのでは?と思いつつ。
女の秘めたる情欲とドロついた奪い合いをもう少しハードに観せてくれる方が私は好きだなと思った。
それにしても、コリン・ファレルとコリン・ファースを間違えずにいられる日は来るのだろうか…
悶々と
冷ややかな作品
この作品には既に原作があるようで、それをソフィア・コッポラが再解釈・再構成した形になる作品。
原作ありきのストーリーなので、予告編からもう展開丸わかり。予告編みれば80%鑑賞した気分になれる。ネタバレもクソも無く『オリエント号』と同じ道を辿ることとなった。
正直薄すぎてあまり伝わってこなかったが、何か得ようと思い見出した魅力とは、白と黒の対比の美しさであろうか。それは暗い森の中に白く佇む彼女らの姿を描く映像美でもあるし、ストーリーのモノクロの強い対称はキリスト教的な禁欲主義の偽善と「欲望のめざめ」を描く自己矛盾的なコントラストだ。それはそれで面白いのだが。それでも彼女らの「欲望のめざめ」は非常に中途半端な結果となっている。
それでもカンヌを取った理由が知りたく、コッポラ作品『ブリングリング』を観たが、これが稀に出会う「紙」映画ときた。ガーリー・カルチャーの重要人物として女性の憧れの対象となっているようだが、正直、ただ権利を主張したいだけの見苦しいフェミニズムとしか思えない。しかし今回は、流行りのヒューマンスリラーに自らの女性主義を乗せたら成功するだろうという画策はどうやら上手くいったようである。
女性の参画が進む中『ワンダーウーマン』や『ELLE』などの名作も出る中で、このような見苦しい作品もあるのかと。人類は本来平等ではないのに。流石に本作品と無関係なものについてここでアレコレ不満を垂れても仕方がないのだが、正直これではフェミニズムなど、重要視する必要がどこにあろうかと思われても仕方がなく、ソフィア・コッポラを崇める彼女たちの姿はまるで、instagramという虚構の世界で内輪で盛り上がる女子たちの、非生産的かつ目も眩む色彩に溢れた凍て付く世界である。
いつものソフィア コッポラ
ソフィア・コッポラの作家性が如実に表れた一本
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