「門によって分けられる日常と戦争」The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ imymayさんの映画レビュー(感想・評価)
門によって分けられる日常と戦争
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戦争と日常が、寄宿学園の門によって分けられていたのに、負傷した兵士が門の中に運ばれることによって、境界が曖昧になってしまい、寄宿学園のなかにもまた戦争状態が運び込まれるおはなし、
日常生活には秩序があって、それが守られていれば、その生活は保たれるけれど、戦争にはそれが全くない。
女たちは美しくて紳士的な負傷兵に興味を持って、取り合う。女たちによる男を巡る戦争。
その結果、男は階段から落ちてしまって脚を失うのだけれど、逆上した男は女たちに憎しみを持つようになる。女たちと男の戦争。
結局彼は女たちが毒キノコを食べさせて殺されてしまう。
寄宿学園のなかの戦争が終わった証として、彼は門の外に出されてしまう。運び込まれてしまった兵士が、戦争が、また外に出される。とても象徴的な場面。
彼女たちが共謀して、彼を殺すことができたのは、戦争状態で、秩序がなくなっている状態だったからこそ。敬虔なキリスト教主義者たちが日常において、教えに反くことである殺人を犯すことは考えられない。戦争は、秩序も人間の信じている宗教もすべて意味のないものにしてしまう、
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