劇場公開日 2018年9月15日

  • 予告編を見る

「【歳が離れた二人のアーティストが出会った、人の様々な顔。人生の年輪が刻まれた顔は、その人が生きて来た人生を語るのである。何とも、豊饒な気持ちになる、ロードムービースタイルのドキュメンタリーである。】」顔たち、ところどころ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【歳が離れた二人のアーティストが出会った、人の様々な顔。人生の年輪が刻まれた顔は、その人が生きて来た人生を語るのである。何とも、豊饒な気持ちになる、ロードムービースタイルのドキュメンタリーである。】

2021年8月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

ー 今作は、”ヌーヴェルヴァーグの祖母”と呼ばれる、当時88歳のアニエス・ヴァルダと新進気鋭の人々のポートレートを大きく壁面などに貼りだす33歳のアーティストJRの二人が、フランスの田舎町を共に旅しながら、その街に住む人々の顔を写し、建物の壁面に貼るロードムービーの様なスタイルを取ったドキュメンタリー映画である。ー

◆感想
 ・アーティスティックな思想を持つ、お祖母ちゃんと孫が一緒に旅をするドキュメンタリーの様な作品である。

 ・だが、二人ともアーティストであるから、妥協はしない。

 ・二人が会う、フランスの田舎街に住む人々の顔が、とても良い。年輪の様な皺を刻んだ、顔、顔、顔。JRは彼らの姿を写し、大きな写真に引き伸ばし、彼らが住む町の建物や納屋の壁面に張り付ける。
 港湾労働者の妻3人、山羊の角を切らずに飼育する要牧者・・。
 ー 人々の反応は様々だが、皆、嬉しそうである。自分の顔や全身が、自分が住む街に大きく、貼りだされる、嬉しさと恥ずかしさと・・。ー

 ・二人の旅は、”計画しない”ことで、続いて行く。

<アニエス・ヴァルダが、JRへのお礼に連れて行った、ゴダールの家。だが、彼は”敢えて”合わず・・。意気消沈するアニエスに、それまでJRが頑なに取る事を拒否していた黒いサングラスを取り、アニエスに自らの瞳を見せるシーン。
 何とも、豊饒な気持ちになる、ロードムービースタイルのドキュメンタリーである。>

NOBU