「タイトルのインパクトを越えるほどでは」家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルのインパクトを越えるほどでは
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榮倉奈々の演技は抜群にいい。それだけはおススメできる。とにかく愛嬌と労りのかたまりのような可愛い奥さんだった。
ただ、話のスジに説得力が欠ける。なぜ執拗に死んだふりをしていたのか?
あれだけの労力を使い、旦那が嫌がっているのに自分本位すぎだ。旦那に何かしらの落ち度があったとしたならしょうがないが、物足りないにしてもいい旦那じゃないか。
愛してるから、だけが理由でいいのだろうか?
「ああ、なるほど!」とうなずき、一筋の涙を流してしまうようなきっかけが何もない。では、母親のことが理由?、それならちゃんと口で言えばいい。旦那は(旦那の同僚とは違って)そこまで鈍感ではないよ。クリーニング店主や同僚の妻に見せたような素直さと細やかさをもっと旦那にみせてあげればいいのに。世の亭主の何割かは、ここまで我慢せずに間違いなく爆発しますから。思っていても、口に出さなきゃ伝わらないよ。榮倉奈々の可愛さだけで成り立っている映画だった。
ちなみに「月が綺麗ですね」って、まあ文学好きにはよく知れたフレーズなのだが、せめて死んだふりの理由として、「(あなたのためなら)死んでもいい」の解釈を膨らませてくれれば納得できたかもしれない。まあ、それでも遠回しすぎてイライラしてしまうが。
星勘定は、榮倉奈々の可愛さだけで。
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