「美しい日本の四季と武士の本望」散り椿 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
美しい日本の四季と武士の本望
2018年。監督:撮影:木村大作。
モントリオール国際映画祭・審査員特別グランプリ受賞。
美しい映画でした。
夫婦愛も、藩を思う気持ちも、立ち回りも、そして何より日本の四季折々を写した
美しい映像。
監督が日本を代表するカメラマン出身の監督:木村大作さん。
加古隆の音楽も親しみやすく良かったです。
セット撮影を行わずにオールロケで撮影されました。
ロケ地は、映画の舞台・京都を避けて富山を多く選んだそうです。
どおりでというか、雪山深い印象ですものね。
「散り椿」11月から咲き始めて場所により4月、5月まで咲く樹木。
(残念ながら北海道に椿は咲きません。見たのは温室仕様の植物園のみです)
映画の中、2メートルから3メートルある木にタワワに咲く「散り椿」は実に見事でした。
《ストーリー》
架空の藩である扇野藩の汚職に絡むお家騒動。
主人公・瓜生新兵衛(岡田准一)は18年前(映画では8年前の設定か?)
藩を追われた。
贈賄側が田中屋惣兵衛(石橋蓮司)・・・和紙の製造販売を営む商人。
収賄側が家老(奥田瑛二)他の重役たち。
不正を暴こうとした瓜生新兵衛は、藩に追われて、妻の篠(麻生久美子)と、
故郷・京都を去るのです。
やがて篠は病に臥せて、死の間際に2つの願いを新兵衛に託します。
ひとつ目の願いは、
「故郷へ戻り、散り椿を私の代わりに見て下さい」
そして、ふたつ目、
「榊原采女(うねめ=西島秀俊)さまの、おチカラになってあげて下さい」
榊原采女は篠の元許婚。
心中複雑な新兵衛でした。
ポイントはまたふたつ。
ひとつ目、
新兵衛の帰郷で、
お家騒動の2幕目の火蓋が切られる事態に!!
ふたつ目、
そして知る妻・篠の新兵衛への深い愛。
ここが見どころです。
岡田准一が無精髭のやさぐれた浪人風。
剣術の達人。
西島秀俊も時代劇で殺陣を披露したシーンは見たことがありませんでしたが、
ふたりの真剣勝負も中々の気迫で、見応えありました。
岡田さんは東洋武術の各種インストラクターの資格を持ち、今作でも剣術に並々ならぬ
努力を重ねて、実に見事な殺陣を披露しています。
起承転結のきっちり整った脚本(小泉堯史)
実力派作家(葉室麟)の原作。
黒澤明監督作品の撮影を多く手掛けた木村大作の監督:撮影。
80歳近い監督の作品としては、クリント・イーストウッドに肩を並べるエネルギーですね。
日本の時代劇の素晴らしさを堪能させて頂きました。
今もwowowのナレーションで西島秀俊さんが話してられます。
一度観ました。昔も今も告発する時は、命(職)がけですね。
岡田准一さんはアクションが凄いし殺陣もなんですね🦁
みかずきです
琥珀糖さんの前田建設・ファンタジー営業部・レビューが見当たりませんので、こちらに書きます。
前田建設・ファンタジー営業部・レビューへの共感&コメントありがとうございます。
この作品は、モノづくりの醍醐味を描いた作品です。
実際にモノづくりに関わっている理系男子は共感するだろうが、
文系男子、女性は共感するのだろうかと心配でした。
琥珀糖さんのコメントで徒労であることがわかりました。
ありがとうございます。
では、また共感作で。
-以上-