「3.4点 まあ良かった気がする」アメリカン・バーニング asaさんの映画レビュー(感想・評価)
3.4点 まあ良かった気がする
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総評は3.4点
それなりに良かった気がする。
特に、当時のどっかの思想をパクって、研究もしてない感じの過激集団の意味わからん主張が、滑稽で逆にリアルだった気がする。この「話通じる気ない感」はもどかしさを感じたので、作品として成功していたと思う。
ある思想について自分の言葉で考えているのではなく、ただ「世界を壊したい」鬱憤晴らしの材料に使われてしまう場面もよく表現できていたと思う。
「世界は今どれくらいの人が死んでいるのかわかっているの?」というセリフも良かった気がする。主人公の社長は、今できることを着実にやって目の前の世界に影響を与えている。一方で学生諸君は、世界を変えようと爆弾を持ち込む。とても学生らしい「現実逃避」も表現がうまくできていたのではないだろうか。
また、主人公の娘の吃音や絶世の美人、スーパーヒーローとしての主人公の葛藤、精神的な関係性などもそれなりに良かったのではないか。
ただ、総評としては3.5点には及ばなかった。というのも、残るものがなかったのだ。共感すべき点が、心動かされるものがなかった。悪く言えば、少しずつちょい出ししすぎてどこを見ていればいいかわからなくなったのだ。テロリストなのか、妹なのか、妻の不倫なのか。いやこれはこれで主人公の悲惨な人生と表現と見れば、成功しているのかもしれない。
操作や爆弾犯を追いかけるエンタメよりのものを求めると少し物足りないと思うが、個人的にはそれなりに良かったと思う。
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