50年後のボクたちはのレビュー・感想・評価
全34件中、21~34件目を表示
チック好きー!
いまも子供のときもこんなめちゃくちゃなことしたことないなと思いました。休み明けに学校に戻って成長してる主人公かっこいいし、別れたきりのチックもかっこいい。50年後、連絡し合ってなくても再会してそう。
グッバイ、サマーと比べると…
昨年のちょうど同じ時期に公開されたフランス映画『グッバイ、サマー』と驚くほど同じ設定の本作。思春期男子のロードムービーは夏の終わりに観るものなのだろうか。
丁寧でナイーブ、ほろ苦い作風だった『グッバイ、サマー』に比べて、本作はカラッとしており、大味で雑。
それでいて物語はどことなくモッサリしており、映画からはヤケクソなエネルギーも感じられず、なんか不完全燃焼感がぬぐえない。車を盗んで無計画に突っ走るんだから、映画全体にもっとグルーヴ感が欲しいところ。つまらなくはないけど、佳作とも言い切れな微妙なレベルの作品だったな、との印象です。『グッバイ、サマー』と比べると、クオリティ的にかなり落ちると思います。
その理由は、人物描写が全般的に大雑把であること。
主人公のチックは、ゲイでアジア人で天才でアル中と、ある意味マイノリティーのイメージを凝縮したようなキャラで、かなりToo Muchです。設定盛り過ぎ。しかも背景がまったく描かれないので、何が彼たらしめているのかがよくわからないため、キャラに入り込めず。ゲイの葛藤については、序盤の「お前ゲイか?」と言った罵りから窺い知れてはいましたが。
また、イザはなかなか魅力的なのに、チックと同様に何者なのかが窺い知れない。まー、孤独だ、とかはわかるけどさ。そこから一歩踏み込んだ何かが欲しい。
せっかくみんなキャラ立っているのに、上記の理由で物語に没入できない。そこが最大の不満点でした。
一方、主人公で語り手だけありマイクの描写はバッチリで、ちゃんと成長しており良かった。裁判所でクソ親父の意見を振り切り、自分の意志を主張したシーンはカッコ良かった。ラストは面構えもドスが効いてきましたし。
そしてスカジャン。黒ではなくグリーンというのが粋です。オーバーサイズなのも逆に良い。小柄なマイクがイキって着てる雰囲気が出ていてキュートでした。ドイツ映画でスカジャン(Japan の刺繍入り!)を見れたのは、スカジャニストとして単純に嬉しく、とても誇らしい気分です。
ぶっ飛びすぎたな
スタンドバイミー的なものを想定してみたのが失敗だったのか。
映画のリアリティーを超えたぶっ飛びすぎ。
いや、世界観をきちんと描けていれば映画の中のリアリティーは人間の想像力の限り、つまり、無限に成立するのだが。
変人は犯罪者ではない。
まず邦題からして内容を表しているとは言いがたい。
明らかに少年たちの爽やかな青春ものを期待させる邦題の付け方だが、原題は『チック』である。
2人の悪ガキのより悪い片割れの名前である。
何か美しい友情を想像させるような邦題をつけて完全にミスリードしている。
ある場所で3人の少年たちが会おうと約束した、ただそれを切り取って邦題にしただけである。
周囲から理解されない変わり者の少年2人のロードムービーになる。
この映画には『14歳、ぼくらの疾走』というドイツでベストセラーになった児童文学の原作小説があるらしい。
原作を読んでいないので、この映画がどこまで原作に忠実であるかわからないが、変人を描く際、本当に作者(監督)が変人なのか、凡人なのか、筆者はなんとなく探ってしまう。
原作者か監督かどちらかはわからないが、この作品に関しては後者ではないかと思う。
凡人が変人を描く際、実際は理解できないものだから作中の変人たちの行動が過激になり過ぎて結局は犯罪者や過激な社会不適合者になってしまい、最終的にきっちりと社会から制裁されてしまう。
変人は犯罪者とイコールではない。
原題になった主人公マイクの相棒であるチックは悪ガキという言葉では済まされない犯罪者になってしまっている。
しかもまたチックはゲイでかつ見た目がアジア系のような移民である。
いやさ、あまりにも安直すぎるよ!
主人公マイクの母親が飲んだくれで、父親が若い女の子と不倫中、両親の仲はうまくいっていない。
このマイクのバックボーンの設定もいかにもありがちなステレオタイプすぎる。
この原作小説がドイツの児童文学賞を総ナメにし、200万部以上売り上げているという。
ドイツ人は真面目すぎて、羽目を外すなら犯罪するぐらいまでやれ!という鬱屈した感情を抱えているのだろうか?それとも原作は映画とは違うのだろうか?
2人の行動が途中から犯罪まっしぐらになっていくほど馬鹿すぎて応援する気が失せる。
去年筆者が観た同じような少年2人のロードームービーに『グッバイ、サマー』という作品があるが、この変人2人は犯罪者にはならない。
監督のミシェル・ゴンドリーの自伝的な作品らしいが、ゴンドリーは罪を犯すほどやりすぎず、変人ではあるが旅を通して適度に少年2人も成長していく。
例えば本作をクラスでハブにされるような中学生ぐらいの変人が観るとして、果たしてオレもああなりたい!などと共感できるだろうか?
そうは思えない。
一夏の騒動を終えてパトカーから降りてきた主人公マイクを他の生徒たちがまるで尊敬の眼差しで眺めるシーンがあるが、人殺しをして出所したハクのついたヤクザかよ!と思わずツッコミを入れたくなった。
またエンドロールにチックのその後がアニメで流れるのだが、もう彼はいっぱしの犯罪者にしか見えない。
多分このまま行けば次は銀行強盗だろうな!という未来しか見えてこない。
よって50年後は野垂れ死んでいるか刑務所の中だから他の2人とは再会することはできないように思える。
ただ本作にもうらやましいところはある。
少年たちに実際に車を運転させているところ、タバコを吸わせているところである。
有名な笑い話だが、道路交通法をあまりにも遵守している今の映画業界では警察に追われた犯人でもきっちりとシートベルトを着用してから逃げる。
本作の少年2人は車を運転している上にシートベルトも付けない。
日本もドイツと同じように中学生が主役の過激な映画を作れと言うつもりはない。
しかし中学生を主役にした面白い作品があったとしても、上記の表現が制限されることでそもそも映画化の企画段階にも上がらない可能性もあるのではないだろうか。
また本作の主役2人はオーディションで選ばれている。
日本の映画業界も主役の中学生を高校生に設定変更するのではなくもっとオーディションをして広く人材を探すべきである。
予告を見たときは・・・。
予告を見たときはアメリカの映画だと思ったが、実際はドイツの映画だ。アメリカのコメディタッチの映画の影響はあるようだ。しかし、それにしては話が薄く、あまり事件は起きない。中学生ぐらいの子供が車で旅行してとしてもそれほどの出来事はないだろうけど。リアリティー路線で行くならそれもありだろうが、そういう作風ではない。エンディングにアニメを使うし。主役の二人のキャラクターはいいのだが。チックの役の子はなんとなくチョウ・ユンファに似ていた。
僕の前に径はない、僕の後ろに径はできる。
この作品の印象は、
詩人 高村光太郎の「僕の前に径はない、僕の後ろに径はできる。」がぴったり合う。
映画『スタンドバイミー』のような作品であった。舞台がドイツと知って結構
驚いた。
話の展開や主人公3人のキャラが薄く、今一つ。なによりも、題名にあった50年後の3人がどのような人生を歩み、どのような体験したのかをわくわくして見ていたのが、結局、判らずじまい。
見る者が、それぞれ想像せよということか。
一番気になったのが、イザの存在。彼女は、画材のようなケースをもっていたが、あれはなんであったのだろう。
なぜイザは、あんな廃墟にいたのか。姉に会いたいという願いでバスに乗ったのだが、彼女にとっての「姉」の存在がなんであったのかも描かれていないれていない。
チックのカミングアウトも無駄と言えば無駄。
原作が児童小説であるためか、話の要所々々が浅く物足りない。劇中の車中で流れるクレーダーマンは、とても懐かしく。なかなかのスパイスで良かった。
単館上映するようなマイナーな映画、ドイツではベストセラーの原作らし...
単館上映するようなマイナーな映画、ドイツではベストセラーの原作らしい。
ティーンネイジャーもので、14歳が主人公。つまり厨ニ病を描いたドイツ映画。時間調整じゃなければ絶対観ないだろうもの。
結論はですね。面白かった!最初はヤバいなと思ったけど、どんどん引き込まれる。男のコは夏休みの数週間で変わるんだよね〜。
こういうハリウッド系じゃない映画も良いな。
観て損はないよ。
不憫な冷凍ピザ
人気者の誕生日パーティーなんて招待されたことのない根暗な私としては、マイクに自分を重ねてはっちゃけ楽しみたかったんだけど、意外と感情移入ができずに終わってしまった。
冴えない10代男子が夏休みに普通とは外れたことをして全力で楽しんで怒られてちょっと大人になっちゃうような映画ってよくあるけど、14歳にしてはかなり大人びていたりやたら運転が上手だったりと、ん?となる点が多かったのかな。
チックに関してはバックグラウンドがよく分からないうえに突き抜けてブッとんだ面白さがあまり見られず。
ただ彼の髪型には某国の最高指導者をちょっと彷彿とさせられてしまう強いインパクトがあった笑
まあそれでも普通にセオリー通りの面白さはある。
田舎の家族の頭の良い子供達は独特の雰囲気があって良いし、途中合流するイザなんて何がしたかったのかよく分からんもののそれこそブッとんでてとても良いキャラしてる。
一つ一つの会話や行動にクスッとさせられる場面も多く、何より映像と音楽が綺麗で楽しい。
「こんな青春を送りたかった!」とはならないものの、観ていて飽きない明るさがある。
エンディングのアニメーションで少し触れられているけど、チックがその後どうしてるのかはかなり気になるところ。
それにしても、これ系の映画に出てくる学校イチのモテ美少女枠の女の子が大体へちゃむくれでそこまで可愛くないのはなぜだろう…
日本人と西洋人の感覚の違いなんだろうか。
誘ってもらって、本当に良かった、・・・・・ 味のある、ミステリー・ツアー!
突然、巻き込まれて・・・・・、奇妙なもの、普段、見慣れていないものに追っかけられて・・・・・、
でも、帰ってきてみたら、それまで、ふさぎ込んでたのが嘘のよう、・・・・・ 心が、もの凄く、軽くなっている !
原作は、ドイツの教育推薦図書とのことでした。
とても、面白かったです。
何かの拍子で、肩の力を抜いて対応できるようになる、そして、そういった感覚が芽生えて、だんだんと、世界を広げてゆくことができる、そんな仕組みを、今回は、とても大きな包容力で、紹介してくれているような気がしました。
わたしも誕生会には呼ばれなかった(笑)
2017/08/21、Filmarksさんで当たった、ドイツ文化センターでの試写会に参加してきました。
邦題『14歳、ぼくらの疾走 マイクとチック』というドイツの児童文学が原作の映画。書籍の原題も映画の原題も、『チック』です。で、いままさに『チック』というタイトルで同じ原作の舞台も上演中ということで、映画と舞台を見比べてみたいと思って試写会に応募したら当選したので、急遽試写会翌日の舞台のチケットをネット購入した上での、参加。
原作またはノベライズが文庫本1冊ならば基本的に読んでから観る主義なのですが、この原作は文庫になっておらず、お値段も1,728円とお高めだったので、手が出ないままの映画鑑賞となりました。
冴えない14歳のマイクは、学校ではサイコ(変人)呼ばわりされ、クラス中が招かれる、片想い中のタチアナの誕生会にも招待されず、母親はアル中で、父親は浮気中。
ある日、見るからにヤバいチックが転校してきて、隣の席に。そして、そのチックが盗んだ(「借りた」)車で旅に出ようと言いだして……
わたし自身は、子どもの頃、とても良い子で、つまり大人にとって都合のいい聞き分けの良い子で、親や教師がしてはいけないということはしない主義、というより、してはいけないことはしてはいけない、という、その点では若干思考停止した子どもでした。
例えば、中学校のとき、学校に余分なお金は持ってきてはいけない、と言われていたので、お弁当を作り損ねて購買部でパンを買う必要がある日以外は、学校にお財布を持っていかなかったぐらいです。
当然のように、夜の校舎窓ガラス壊して回ろうとか盗んだバイクで走りだそうとか一瞬たりとも思ったこともなく、わたしにとっては限界ギリギリのやんちゃが、「男闘呼組のファンになること」だったりしました。
そんなわたしにとって、この映画は、わたしが14歳の頃にしてこなかったことを、疑似体験させてくれるものでした。
車泥棒にガソリン泥棒、車の運転、私有地への不法進入、飲酒、喫煙もしてたかな?、湖での異性との混浴状態……。
中学生のわたしだったら、「不道徳だわ!」と席を立ちかねない、不謹慎のオンパレードです。
でもまあ、わたしもアラフィフになりまして、つくづく振り返るに、わたしは良い子すぎたのではないか? と、若干の後悔と反省があるので、この映画での二人の無茶を疑似体験できて、ちょっとスカッとしたのでした。
トークイベントの際に、原作が、ドイツ本国では推薦図書みたいになっているということで、日本だったら盗んだ車で旅に出る話なんてあちこちからクレームがつきそう、というお話がありましたが、本の中で疑似体験することで、実際の行動に至らなくさせる効果はあるのかもしれないなと思いました。
2016年のスマッシュヒット映画『シング・ストリート 未来へのうた』をちょっと連想しましたが、あれは音楽という芯が一本通ってるのが強いですよね。
この映画は、もっと行き当たりバッタリ、無計画なところが、少年らしくてなんとなくホッとするところもあります。
青春映画+ロードムービーで、あまり難しく考えなくても楽しめる作品になっていると思います。
全34件中、21~34件目を表示