「異郷人の目で見たニューヨークの孤独。」リベリアの白い血 MPさんの映画レビュー(感想・評価)
異郷人の目で見たニューヨークの孤独。
主人公のシスコは母国リベリアに家族を残し、単身渡ったニューヨークでタクシードライバーをしながら日銭を稼いでいる。しかし、大都会は彼に優しくはなく、さらに、消し去りたい過去が異郷の地に渡っても尚、疫病神のように纏わり続ける。いったい、ニューヨークにはどれだけのシスコがいるのだろうと思わずにはいられない。当地を訪れた時、運転席でハンドルを握る顔が見えないタクシードライバーたちのぶっきらぼうな声がふと脳裏をかすめた。日本人監督の福永壮志も、恐らく同じ思いをしたはずだ。そして、彼らにも彼らなりのドラマがあるはずだと。同じ異郷人の目で見たニューヨークの孤独が程よく体に染み渡るのは、そんな監督の視点と、シスコを演じるリベリア人、ビショップ・ブレイが観客のシンパシーを呼び込むに足るルックスの持ち主だからだと感じた。
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